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VOL.1004 オメガ3脂肪酸とオメガ6脂肪酸の摂取と妊娠しやすさの関係

2022年09月18日

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 妊娠しやすいカラダづくり No.1004            2022/9/18
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今週の内容__________________________________________________________

・最新ニュース解説:オメガ3脂肪酸とオメガ6脂肪酸の摂取と妊娠しやすさの関係
・お知らせ:株式会社パートナーズでは人材を募集しています
・編集後記


最新ニュース解説 Sep.2022 _________________________________________

 オメガ3脂肪酸とオメガ6脂肪酸の摂取と妊娠しやすさの関係
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オメガ3脂肪酸のDHAの摂取は妊娠に良好な影響を及ぼし、同じオメガ3脂肪酸でもαリノレン酸やオメガ6脂肪酸のリノール酸の摂取な妊娠にはマイナスの影響を及ぼす可能性があることが、アアメリカのNHANES(全国健康・栄養調査)のデータを解析した研究で明らかになりました(1)。

オメガ3脂肪酸とオメガ6脂肪酸は、体内でつくられないことから必須脂肪酸と呼ばれる脂肪酸で、食事から摂取するしかありません。

そのため、これらの脂肪酸の摂取状況は、食事内容で大きく左右されます。

そして、オメガ3脂肪酸もオメガ6脂肪酸も、妊娠や出産に深く関わっていますので、食事内容がこれらの脂肪酸の摂取状況を介して、妊娠や出産に有利になったり、不利になったりします。

◎どんな研究だったのか?
NHANES(アメリカ国民健康栄養調査)は、政府機関によって行われている調査で、アメリカ国民の健康状態や栄養状態を定期的に調査し、その結果は、国民の健康増進や疾病予防に活用されています。

具体的には、面接による食事や健康状態の聞き取り調査、医学的なさまざまな検査や身体測定を行っています。

この研究では2013年〜2018年の調査で、20歳から44歳の健康な女性、1785名を対象に5種類のオメガ3脂肪酸(α-リノレン酸、SDA、DHA、DPA、EPA)、2種類のオメガ6脂肪酸(リノール酸、アラキドン酸)の摂取量と不妊症(妊娠を希望して1年以上妊娠に至らない)との関係を調べました。

◎どんな結果だったのか?
被験者のうち340名(19%)が不妊症、すなわち、子どもを希望しても1年以上妊娠に至りませんでした。

必須脂肪酸の摂取と不妊症の関係を解析したところ、オメガ3脂肪酸のDHAの摂取量は不妊症リスクと負の関連、すなわち、DHA摂取量が多いほど、不妊症になりにくく、反対に、同じオメガ3脂肪酸でもα-リノレン酸やオメガ6脂肪酸のリノール酸の摂取量は不妊症リスクと正の相関関係、すなわち、α-リノレン酸やリノール酸の摂取量が多いほど不妊になりやすいことが、それぞれ、わかりました。

また、オメガ3脂肪酸の摂取量に対してオメガ6脂肪酸の摂取量に比率は不妊症リスクと正の相関、すなわち、オメガ6脂肪酸:オメガ3脂肪酸比が高いほど不妊になりやすいこともわかりました。

これらのデータからDHAは妊娠に良好な影響を、反対にα-リノレン酸やリノール酸は妊娠にマイナスの影響を及ぼす可能性があることが示唆されました。

◎オメガ3脂肪酸とオメガ6脂肪酸
オメガ3系脂肪酸にはα-リノレン酸やDHA、EPAがあり、α-リノレン酸は植物由来の油(えごま油や亜麻仁油)に多く含まれ、DHAやEPAは魚油に豊富に含まれています。

一方、オメガ6系脂肪酸は、リノール酸やアラキドン酸があり、リノール酸は、植物由来の油に豊富で、コーン油、大豆油など、身近な油の主成分です。

既にお話しした通り、これらの脂肪酸は体内でつくることが出来ないため、必須脂肪酸と呼ばれています。

オメガ3脂肪酸とオメガ6脂肪酸は、どちらも、全身の細胞膜の材料になるなど、とても重要な働きをしています。

重要なことは、このオメガ3とオメガ6は、お互いに正反対の役割を担っているということです。

極々、簡単に言ってしまえば、オメガ6脂肪酸は、炎症促進、血管収縮、血小板凝集に、反対にオメガ3脂肪酸は抗炎症や血管拡張、血小板凝集抑制に働きます。

そのため、オメガ3とオメガ6が良いバランスを保つことが、健康には欠かせないというわけです。

大切なのは「バランス」です。

炎症や血流は、妊娠の成立や継続に強く影響します。

そのため、オメガ6脂肪酸を摂り過ぎ、オメガ3脂肪酸が不足し、バランスが悪くなると、妊娠や出産に不利になってしまいます。

◎食べ方がポイント
脂肪酸は、脂肪酸そのものを摂取するわけではなく、全て、食事から摂取することになります。

そのため、オメガ6脂肪酸を撮り過ぎない、かつ、オメガ3脂肪酸が不足しない食べ方が大事になってきます。

具体的に挙げます。

・魚を週に2、3回は食べる。
・揚げ物や炒め物はたまに食べるようにする。
・ドレッシングはオリーブオイルや酢を使う。
・菓子パンは全粒粉パンに替える。
・スナック菓子はフルーツやナッツに替える。
・加工食品やファーストフードを食べる頻度を少なくする。

また、オメガ3脂肪酸でもα-リノレン酸は妊娠にネガティブという結果がいくつかの研究で報告されています。

α-リノレン酸は、亜麻仁油やシソ油、えごま油に豊富で健康なイメージがありますので、意外です。

その理由として考えられるのは、α -リノレン酸は、とても酸化されやすいというデメリットがあることです。

そのため、亜麻仁油やシソ油、えごま油を、わざわざ、摂取するのは控えたほうがいいかもしれません。

オメガ3脂肪酸の DHAやEPAの供給源は魚です。

食べ方としては、地中海食が参考になります。

・野菜、果物の摂取量が多い。
・全粒粉を使っている。
・脂質はオリーブオイルが中心。
・ナッツ類、ベリー類、豆類、イモ類の摂取量が多い。
・魚、鶏、乳製品を少量から中量、赤身肉の摂取は少ない。
・卵は週4回以下。
・少量から中量のワインを食事と一緒に飲む。

結果として、オメガ6脂肪酸の摂取が過剰にならず、オメガ3脂肪酸が不足しない食べ方になります。

文献
1)Front Public Health. 2022; 10: 938343. 

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私たちの目的は、単にサプリメントをたくさん売ることではなく、製品やサービスの提供を通して、ドクターにとっても、患者さんにとっても、「納得感の高い生殖医療の実現に貢献する」というビジョンの達成です。

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編集後記____________________________________________________________

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