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妊娠しやすいカラダづくり No.1008 2022/10/16
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今週の内容__________________________________________________________
・最新ニュース解説:炎症を起こしにくい食べ方は妊娠率によい影響を及ぼす
・お知らせ:情報提供サイト「精子の質改善ラボ」を公開しました
・編集後記
最新ニュース解説 Oct.2022 __________________________________________
炎症を起こしにくい食べ方は妊娠率によい影響を及ぼす
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炎症を起こしにくい食事パターンに近いほど妊娠率によい影響を及ぼすことが、北米とデンマークで実施された研究で明らかになりました(1)。
食事パターン、すなわち、食べ方が自然妊娠でも、不妊治療を受けていても、妊娠しやすさに関係することが多くの研究で明らかになっています。
これまでは、地中海食に代表される健康的な食べ方との関係について調べられてきましたが、今回の研究では、健康的な食べ方に加えて、炎症を起こしやすい食べ方との関係も調べられました。
◎どんな研究だったのか?
デンマークのオーフス大学とアメリカのボストン大学の研究者らは、4種類の食事パターン、地中海食、アメリカ健康食指数(HEI-2010:アメリカの公的な食事バランスガイドに基づいた健康的な食べ方)、デンマーク健康食指数(DDGI:デンマークの公的な食べ方ガイドに基づいた健康的な食べ方)、食事性炎症指数(DII:炎症を起こしやすい食べ方))と自然妊娠の妊娠率との関係を調査しました。
被験者は、妊娠希望の女性を対象とした、2つの前向きコホート研究(北米のPRESTO研究:n=5,803名、デンマークのSnart Foraeldre研究:n=3,429名)に参加した被験者に、2013年から2020年までの間に、8週間ごとに食物摂取頻度調査票に回答してもらい、1年間、或いは妊娠するまで追跡しました。
調査票の結果から、4種類の食事パターンスコアを算出し、妊娠するまでの期間から算出した妊娠率との関係を解析しました。
◎どんな結果だったのか?
炎症を起こしやすい食事パターンに近いほど妊娠率が低下することがわかりました。食事性炎症指数が、-1.5以上のグループは、-3.3未満のグループに比べて、妊娠率が、PRESTO研究では18%、SF研究では17%、それぞれ低いことがわかり、食事性炎症指数が高い、すなわち、炎症を起こしやすい食事は低い妊娠率と関連しました。
また、PRESTO研究では地中海食やHEI-2010の高スコアは高い妊娠率に関連しました。
このように炎症を起こしやすい食事パターンほど妊娠にマイナスの影響を及ぼす可能性があることがわかりました。
◎食事パターン
各食事パターンの特徴は以下の通りです。
・地中海食
地中海沿岸地域の伝統的な食事パターン。
さまざまな生活習慣の発症リスク低減に関連するという膨大な研究報告がなされている。野菜、じゃがいも、豆類、果物、全粒穀物、魚、オリーブオイルを多く、高脂肪乳製品、赤肉、鶏肉、アルコールが少ない食べ方。
・HEI-2010
アメリカの大規模疫学調査から導かれた生活習慣発症リスクの低い食べ方。
野菜(じゃがいもを除く)、果物、全粒穀物、ナッツ類、豆類、オメガ3脂肪酸、多価不飽和脂肪酸、アルコールを多く、砂糖入り清涼飲料水、果物ジュース、赤身肉、加工肉、トランス脂肪酸、ナトリウム(塩)は少ない食べ方。
・DDGI
デンマークの公的な食べ方ガイドに基づいた健康的な食べ方。
果物や野菜、魚、全粒穀物を多く、赤身肉や精製加工肉、動物性脂肪、砂糖添加食品は少ない食べ方。
・DII
炎症を起こしやすい食べ方。
肉や加工肉、臓物、砂糖入り清涼飲料水、精製穀物が多く、緑黄色野菜、緑茶、コーヒー、ワイン、青魚が少ない食べ方。
◎炎症を起こしにくいライフスタイル
これまで地中海食をはじめとした健康的な食べ方は、妊娠や出産によい影響を及ぼすことが多くの研究で明らかにされています。
一方、慢性的な炎症が卵子や胚の発育、着床環境にマイナスの影響を及ぼすことがわかっていることから、炎症を起こしにくい体質にすることに関心が高まっていることから、今回、炎症を起こしやすい食事パターンと妊娠率との関連を調査されました。
Dietary Inflammatory Index(DII)、直訳すると食事性炎症指数(DIIスコア)は、食事が炎症状態に与える影響を総合的に評価する指標として、約2000件の先行研究から開発されたものです。
要するに、DIIスコアが低いほど炎症を抑える食事であると評価され、高いほど炎症を促進する食事であると評価されます。
◎炎症を起こしにくいという観点を加える
これまで妊娠や出産に良好な影響を及ぼす食べ方として最も研究がなされている地中食と炎症を起こしにくい食べ方に共通するのは、野菜や果物、全粒穀物、魚を多く、精製食品や肉類、砂糖添加食品を少なく食べることです。
特に、炎症を起こしにくという観点から見れば、野菜の中でも、緑黄色野菜、魚の中でも青魚を多く食べることです。
文献)
1)Am J Clin Nutr. 2022 nqac213, https://doi.org/10.1093/ajcn/nqac213
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お知らせ____________________________________________________________
情報提供サイト「精子の質改善ラボ」を公開しました
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このたび、情報サイト「精子の質改善ラボ」を公開しました。
不妊治療は「二人で取り組むべき」であるということは、以前に比べれば、広く知られるところをなったように思います。
ただ、男性の場合、精液検査に問題がなければ、ともすれば、「これで大丈夫」という心持ちになる場合が少なくないように思います。
一方、妊娠や出産には質のよい卵子だけでなく、質のよい精子も深く関与しています。
ところが、精子の質は精液検査だけでは、十分に把握できないことは、あまり、知られていま
せん。
つまり、精液検査の結果が問題ないということは、精子の数や運動性に問題がないということであって、精子の質にも問題がないとは言い切れません。
そのため、不妊治療を受けている、もしくは、受けようとしているカップルの男性は、精子の質にも目を向けて、治療に臨むことがとても大切です。
そこで、「精子の質改善ラボ」を通して、有用な情報を発信していきます。
◎精子の質改善ラボ
https://seishi-kaizen.com/
編集後記____________________________________________________________
精子の質を知るための検査が「精子DNA断片化指数(DFI)検査」です。
https://seishi-kaizen.com/dfi-test/
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妊娠しやすいカラダづくり[毎週末発行] VOL.1008
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お子さんを望まれるカップルの"選択"や"意志決定"をサポートします。
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不妊に悩むカップルが、悩みを克服するために、二人で話し合い、考えを整理して、自分たちに最適な答えを出すためのヒントになるような情報を、出来る限り客観的な視点でお届けしています。
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発 行:株式会社パートナーズ
編 集:細川忠宏(日本不妊カウンセリング学会認定不妊カウンセラー)
サイト:https://partner-s.info/
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