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VOL.1020 日常をフィールド化する

2023年01月08日

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 妊娠しやすいカラダづくり No.1020            2023/1/8
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今週の内容__________________________________________________________

・トピックス:日常をフィールド化する
・編集後記


トピックス Jan. 2023________________________________________________
 
日常をフィールド化する
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女性にとっても、男性にとっても、日常生活でよく動くことは、体外受精や顕微授精の治療成績にプラスの影響を及ぼすことがこれまでの研究で明らかになっています。

たとえば、これまでに女性患者の運動習慣と治療成績の関連を調べた8つの試験(対象者総数:3683名)で得られたデータを統合し、解析したところ、よく動く女性は、それほど動かない女性に比べて、妊娠率が1.96倍、出産率が1.95倍だったといいます(1)。

また、普段、運動する習慣のない男性は、運動習慣を身につけることで、精子の質が高まり、パートナーの女性の妊娠率がアップするという研究報告がなされています(2)。

そもそも、日常生活でよく動くことは、いつまでも若々しくいることの大きな柱の1つです。

そして、妊娠する、妊娠させる力は高まるのも、健康状態が改善され、エネルギーバランスが整うことが生殖機能と密接に関連しているからでしょう。

運動習慣によってインスリンの効き目がよくなり、そのことが、卵巣の働きや子宮内膜の状態にプラスに働くという面もあれば、メンタルストレスを緩和させ、そのことも生殖機能にプラスに働くという面もあるのではないかと言われています。

身体のエネルギーをつくる効率をよくし、生殖機能だけでなく、精神面にもプラスに働き、生殖機能をバックアップするというものです。

どちらかと言えば、直接的というよりも、間接的で、根本的、言わば、「縁の下の力持ち」と言えるでしょうか。

もっと言えば、身体を動かすことで、正常に働くように、私たちの身体はできているのかもしれません。

もしも、ヒトの取扱説明書があれば、「動かなければ機能が低下するおそれがあります」という注意書きがなされているように思います。

要するに「ヒトは動くようにできている」ということです。

そして、妊娠、出産は、ヒトに備わった機能の一つなので、「妊娠しやすいカラダづくり」の大前提というか、ベースになるのは「動く」ということになるのでしょう。

ただ、そんなことは、百も承知だけれども、なかなか運動する時間的な余裕がないという方が大半なのではないでしょうか。

頭ではわかっていても、身体がそうならないと。

そこで、そんな方々に「日常のフィールド化」を提言したいと思います。

必ずしも、運動のための時間をとらなくても、動けますよというものです。

運動と受け止めると、わざわざ、ジョギングや水泳、サイクリングをはじめたり、スポーツジムに通わなくてはならなくなってしまいます。

そうではなくて、日々の生活の中で「動く」のです。

今の社会は幸か不幸か、自分で動く必要がないようにできています。なので、流れに身をまかせていると、じっとしっ放し、座りっ放しになります。そこで、自分が、日々、行動しているところを「フィールド」に見立てるのです。

まずは、日々、当たり前のように使っている機械や乗り物を見直します。たとえば、エスカレーターやエレベーターを使わずに階段を上り下りする、車やタクシー、バスを使わずに歩いたり、自転車に乗る、通勤電車の最後の一駅か二駅を歩きます。

また、日中、座っていることが多い場合には、30分毎に立ち上がって歩く、座ってやる作業を立ってやる、座ってやる打ち合わせを歩くながらやる、離れたお店でランチをとる、掃除などの日常のルーチン作業の際に意識してストレッチを併用したり、余分に動きます。

とにかく、日常生活で動き続けるのです。

実際にやってみると、すぐにわかりますが、土日の休みだけ運動して、普段、じっとしっ放し、座りっ放しの生活よりも、特別な運動をしなくても、普段の生活からじっとしっ放し、座りっ放しを追放するほうがカロリー消費量や血流改善効果、さらには、ストレス軽減効果は断然大きくなります。

日常のフィールド化は休みだけの運動習慣に勝ります。

自分のカラダを正常に取り扱う、これが最も効果的な「カラダづくり」になるはずです。

文献
1)Reprod Biol Endocrinol 2018; 16: 11
2)Cytokine 2017; 92: 55. 

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編集後記____________________________________________________________

年のはじめということで、妊娠、出産だけでなく、一生もののカラダづくりを意識したいと思います。

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妊娠しやすいカラダづくり[毎週末発行]     VOL.1020
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編 集:細川忠宏(日本不妊カウンセリング学会認定不妊カウンセラー)
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