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VOL.1105 睡眠の大切さを考える

2024年09月01日

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 妊娠しやすいカラダづくり No.1105                2024/9/1
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今週の内容__________________________________________________________

・編集長コラム:睡眠の大切さを考える
・お知らせ:研究参加者募集:あなたの有機フッ素化合物(PFAS)汚染を調べませんか?
・編集後記


編集長コラム Sep. 2024______________________________________________

睡眠の大切さを考える
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アメリカの国民健康・栄養調査のデータを解析した研究から就寝時間が22時45分より遅くなると不妊症のリスクが有意に高くなるという報告がなされています。

2015年から2020年の同調査の女性参加者3,903人のデータを用いて女性の就寝時間と不妊症リスクとの関係を分析した結果で、不妊症の定義は12ヵ月以上避妊せずに性交渉を続けても妊娠に至らないこととしています。

その上で、年齢等妊娠しやすさに関与する因子の影響を統計学的に取り除くと、就寝時間が22時45分よりも遅くなるほど不妊症になる確率が徐々に高くなることがわかったというのです。

最近、睡眠と不妊症との関連を調べた研究報告が相次いでいます。たとえば、対象者が最も多かった中国の研究(1,276名)では、採卵日に睡眠の状況を調査し、その後の治療周期の成績と関係を調べてみると、睡眠時間は7時間から8時間、就寝時間は23時前後が良好なART治療成績に関連したという報告がなされていて、23時前後に寝るのがよいというところは、アメリカの研究結果と一致しています。

このような研究がいくつかなされてはいるものの、睡眠と生殖機能の関係についてどのような因果関係があるのかは、まだまだよくわかっていません。

ただし、規則正しい生活リズムと十分な睡眠があらゆる健康に寄与することは、もはや常識であり、言うまでもないことです。

睡眠があらゆる健康に関係するということは、睡眠が私たちの身体に備わった健康を維持するための働きのベースになっていることに他なりません。

よく眠れた朝のスッキリとした目覚めの気持ちよさが、そのことを物語っています。

実際、睡眠は体内時計を介してホルモン分泌や免疫機能を司っていることが知られています。

そして、それらは生殖機能をコントロールしていますので、睡眠は、体内時計を介して、ホルモン分泌や免疫機能、そして、生殖機能とつながっています。

ホルモン分泌や免疫機能は、私たちにはコントロールすることが出来ません。それらが乱れ、生殖機能が低下した場合、生殖医療では、ホルモン剤や免疫調整剤で治療しますが、あくまで対症療法で、副作用に悩まされたり、うまくいかなかったりすることも往々にしてあります。

その一方、睡眠時間や就寝時間は、私たちの意思でコントロール可能です。

夜は23時頃に寝て、朝は6時頃に起床し、規則正しい生活リズムを心がけ、体内時計を正常化させることが生殖機能のベースを整えることになるはずです。

大変興味深いことに、最近、睡眠が腸内細菌叢にも関連していることがわかってきたということも、最後に触れておきたいと思います。


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↓編集長コラムバックナンバー
http://www.akanbou.com/column/henshuuchou/
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記事についての感想やご意見は下記のアドレス宛お寄せ下さい。
info@partner-s.info


お知らせ__________________________________________________________

   研究参加者募集:あなたの有機フッ素化合物(PFAS)汚染を調べませんか?
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東京都調布市にあるウィメンズクリニック神野では、京都大学との共同研究「体内PFAS (有機フッ素化合物) 濃度と生殖補助医療成績との関連に関する研究」に参加いただける方を募集しています。

PFASとは有機フッ素化合物の総称で、撥水剤や消火剤、コーティング剤等に用いられていて、環境中で分解されにくく、蓄積性が高い物質であることから、水道水や井戸水などから体内に摂取されていると考えられています。

最近、PFASによる地下水汚染が日本全国で徐々に明らかとなってきており、東京都多摩地域もPFAS汚染が示され、 さらに多摩地域住民の血漿中PFAS濃度が高いことも示されました。

PFASの体内蓄積は、妊孕性低下との関連も示されています。

そこで、高度生殖補助医療を受けられる患者さんを対象に血液や卵胞液中のPFAS濃度を測定し、治療成績との関連を調査する研究がはじめられることになり、参加される方を募集します。

詳細は以下をご覧ください。
https://www.akanbou.com/PFAS_study.pdf


編集後記____________________________________________________________

睡眠を大切にしたいですね。

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妊娠しやすいカラダづくり[毎週末発行]     VOL.1105
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発 行:株式会社パートナーズ
編 集:細川忠宏(日本不妊カウンセリング学会認定不妊カウンセラー)
企業サイト:https://partner-s.info/
情報サイト:https://www.akanbou.com/
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