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VOL.1109 妊娠中のビタミンDサプリメント補充は子の骨密度を増加させる

2024年09月29日

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 妊娠しやすいカラダづくり No.1109                2024/9/29
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今週の内容__________________________________________________________

・最新ニュース解説:妊娠中のビタミンD摂取は子の骨密度を増加させる
・お知らせ:不妊相談会
・編集後記


最新ニュース解説 Sep. 2024__________________________________________

 妊娠中のビタミンD摂取は子の骨密度を増加させる
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妊娠中に1日に1000IUのビタミンDサプリメントを摂取することで、出生児の6-7歳時点での骨密度や除脂肪体重が増加することが、イギリスで実施された研究で明らかになりました。

ビタミンDは、妊娠や出産に際して極めて重要な役割を担うことがわかってきたにもかかわらず、ほとんどの女性で不足していることから、妊娠希望の女性は葉酸だけでなく、ビタミンDのサプリメントを摂取することが推奨されています。

今回の研究では、ビタミンDのサプリメントは出産まで継続することが大切であることが示されました。

◎どんな研究だったのか?
MAVIDS(Maternal Vitamin D Osteoporosis Study)という研究で、イギリスのサウサンプトン大学の研究グループによる、二重盲検無作為化比較対照試験で、妊娠中にビタミンDのサプリメントを摂取することが出生児の骨の健康に寄与するかどうかを調べることを目的に実施されました。

妊娠14週未満の単胎妊娠で、血中のビタミンDが10-40ng/mLの女性を無作為に2つのグループにわけ、一方のグループには1000IU/日のビタミンDを、もう一方にはプラセボ(偽薬)を、出産まで摂取してもらいました。

そして、出生児が6~7歳になった時点でまで骨面積や骨ミネラル量、骨密度(BMD)、骨ミネラル見かけ密度(BMAD)を測定し、2つのグループの年齢、性別、身長、体重、母乳の摂取期間、6~7歳時点でのビタミンDの使用状況を統計学的に調整し、解析しました。

◎どんな結果だったのか?
454人の出生児を6-7歳時点まで追跡調査し、そのうち447人から測定データが得られ、解析した結果、妊娠中のビタミンD摂取が骨密度や除脂肪体重を増やすことがわかりました。

このことから、妊娠中にビタミンDを1日に1000IU補充することで、小児期中期の出生児の骨密度や除脂肪体重を増加させることがわかりました。

◎冬はビタミンDが不足しやすい
ビタミンDはビタミンとされているにもかかわらず、必要量のほとんどは紫外線にあたることで皮膚でコレステロールから合成されています。

なぜ、「ビタミンとされているにもかかわらず」なのかは、そもそも、ビタミンとは体内で合成できないため、食品から摂取する必要性のある有機化合物と定義されているからです。

そして、ビタミンDが摂取できる食品は、ほとんど、魚だけで、それも「サケ」くらいです。

これが、ビタミンDが、女性の間で、特に、冬に不足する理由です。

日焼け止めを使い、ビタミンDがつくられる紫外線をカットする上、冬は日照時間が短くなるからです。

北九州のオフィスワーカーを対象に7月と11月の血中のビタミンDのマーカーを測定した研究がありますが、それによると、平均値は7月が27.4ng/mlだったのに対して、11月は21.4ng/ml と低く、ビタミンD欠乏(20ng/ml未満)の割合が7月では9.3%だったのに対して、11月では46.7%と半分近くになっています。

また、日照時間は季節だけでなく、場所(緯度)によっても異なります。そのため、同じ日本に住んでいても南と北ではビタミンDの体内濃度が違うはずです。

1日に必要とされるビタミンDをつくるのに必要とされる日光浴の時 間を札幌、つくば、那覇で7月と12月で比較した研究があります。

それによると、両手と顔を露出した場合、7月の正午では那覇で2.9 分、つくばで3.5分、札幌で4.6分だったのに対して、12月の正午では那覇で8分、つくばで22分、札幌で76分と北にいくほど夏と冬の差が 大きくなっています。

このように、冬、特に北日本では、ビタミンD欠乏を意識的に回避す る必要があると言えます。
必要とされる量のビタミンDを体内でつくるのに、どれくらいの時間、日にあたればいいのか、推奨日光照射時間をタイムリーに教えてくれるサイトがあります。

国立環境研究所/地球環境研究センターが提供するビタミンD生成・紅斑紫外線量情報の簡易サイトです。
http://db.cger.nies.go.jp/dataset/uv_vitaminD/ja/mobile/

まず「観測局の選択」で最寄りの観測局を選び、その日のその時間の天気で、適切な量のビタミンDを体内で生成するために推奨される日光照射時間が表示されます。

◎ビタミンDの不足や欠乏回避のために
北九州で行われた研究では魚介類や運動、タバコを吸わないことが、血中のビタミンDマーカーの高値と関連したと報告しています。

前述の通り、ビタミンDが豊富に含まれる食品は、魚、それもサケです。

そうなのですが、毎日、サケを食べるわけにもいきませんので、基本は日にあたることです。

意識して日光浴をするのも難しいと思うので、やはり、ウォーキング等の運動が現実的かもしれません。

ただし、女性の場合、季節を問わず日焼け止めクリームなどの紫外線対策を欠かさないという方も少なくないでしょうから、確実なのはサプリメントになります。

サプリメントを利用する場合は、ビタミンDは脂溶性のため摂取するタイミングが大切です。1日のうちで食事が最も多い食後が吸収効率がよいとされています。

そして、ビタミンDのサプリメント摂取は出産まで継続することが大切です。

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お知らせ__________________________________________________________

東京都調布市のウイメンズクリニック神野主催の第32回不妊相談会が2024年11月9日の土曜日に開催されます。

院長の神野正雄先生は、情熱をもって不妊治療、特に、高度生殖医療に取り組まれ、高齢による卵巣機能低下が原因の不妊症に対して、独自の考え方と方法で、高い実績を挙げておられる先生です。

当サイトのドクターに訊くでも、「質のよい卵を育むための生活習慣~高齢不妊との正しい戦い方」というテーマでインタビューさせていただき、記事にしています。

神野先生は、現代における不妊の主な原因は、晩婚化によって、お子さん望むようになったときには、女性は、既に、妊娠しづらい年齢に差し掛かっていることが多くなったこと。

また、現代に特有の不健康な生活習慣、すなわち、夜更かし、ストレス、歩かない生活、質の悪い食生活などが、インスリン抵抗性を招き、卵子や精子の質を低下させていることを指摘されています。

さらに、抗糖化機能性食品「ヒシエキス」が、ART反復不成功の高齢不妊患者さんの妊娠率を改善することを臨床試験により見出され、国内や海外の学会で発表され、論文にもなっています。

これまでの不妊相談会では、なぜ不妊になるのか、カップルで取り組むべきことはどんなことなのか、高度不妊治療とはどんなものなのかを解説しています。

個別相談も可能だそうです。
※先着28名まで。

◎第32回不妊相談会
日程:2024年11月9日(土)
時間:13:00~15:00
場所:ウィメンズクリニック神野
定員:28名
費用:無料
参加希望の方は下記あてお電話でお申込みください。
042-480-3105
・詳細はこちら
https://www.akanbou.com/seminar/b675e3600bc13cbb69bbab0d4ad70ca069c7b0cd.pdf
・ウイメンズクリニック神野サイト
https://xs132599.xsrv.jp/index.html


編集後記____________________________________________________________

カラダのメンテナンス、大切です。

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妊娠しやすいカラダづくり[毎週末発行]     VOL.1109
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発 行:株式会社パートナーズ
編 集:細川忠宏(日本不妊カウンセリング学会認定不妊カウンセラー)
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