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妊娠しやすいカラダづくり No.1115 2024/11/10
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今週の内容__________________________________________________________
・最新ニュース解説：健康的な食事パターンや不健康な食事パターンと精子の質
・お知らせ：不妊相談会
・編集後記
最新ニュース解説 Nov. 2024__________________________________________
健康的な食事パターンや不健康な食事パターンと精子の質の関係
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健康的な食事パターンは精子の質の向上と関連する一方、不健康な食事パターンは精子の質の低下と関連することがスペインの研究で明らかになりました。
私たちは、食事から取り入れた栄養素が、卵子や精子を育む栄養環境をつくります。
そのため、どんな栄養素を摂取するかというよりも、どんな食べ方をするかがポイントになってきます。
なぜなら、私たちは栄養素を食べているのではなく、さまざまな食材を組み合わせて食べているからです。
そこで、食事パターンに着目した研究が盛んに行われていますが、今回の研究は健康な食事パターンと不健康な食事パターン、それぞれと精液検査の結果の関係を調べました。
◎どんな研究だったのか？
スペインのUniversitat Rovira i Virgili の研究グループは健常男性を対象に健康的な食事パターンだけでなく、不健康な食事パターンと精子の質との関係を調査しました。
まずは、Led-Fertyl研究（若年男性の食事や生活習慣の精子の質への影響を評価することを目的とした観察研究）に登録した200人の男性に食物摂取頻度調査票を用いて食事調査を実施し、どんな食材をどれくらいの量と頻度で食べているかを調べました。
次に4つの健康的な食事パターン（地中海食、健康的な植物由来食指数、DASH、EAT-Lancetスコア）と不健康な食事パターン（不健康な植物由来食指数、西洋型食事）にどれだけ近い食べ方をしているかを3つのレベル（低・中・高）にグループ化し、精液検査結果との関係を調査しました。
それぞれの食事パターンの特徴は以下の通りです。
※健康的な食事パターン
１）地中海食：全粒穀物、果物とナッツ、野菜、豆類、魚を多く、赤身肉や加工肉、乳製品、脂肪、アルコールを少なく
２）健康的な植物由来食：全粒穀物、果物、野菜、ナッツ、豆類、植物油、茶、コーヒー
３）高血圧予防食（DASH食）：果物、野菜、ナッツや豆類、全粒穀物、低脂肪乳製品を多く、赤身肉や精製肉、砂糖入清涼飲料水、塩分を少なく
４）EAT-Lancet食：魚、果物、野菜、ナッツ・豆類、全粒穀物を多く、赤身肉、砂糖を少なく
※不健康な食事パターン
１）不健康な植物由来食：果汁、甘味飲料、精製穀物、ポテト、菓子・デザート
２）西洋型：赤身肉、ファーストフード、揚げ物が多く、果物、野菜、魚の摂取量が少ない
◎どんな結果だったのか？
地中海食の高グループは低グループに比べて、総精子数や精子運動率、前進精子運動率が有意に高いことがわかりました。
同様に、健康的な植物由来食指数の高グリープは低グループと比べて総精子数や精子濃度が有意に高いことがわかりました。
また、食事パターンスコア1ポイント増加と精液検査結果との関係を調べたところ、不健康な植由来食や西洋型食は総精子数や精子濃度が低いことがわかりました。
さらに、不健康な植物由来食の高グループは低グループと比較すると、精子濃度の異常や1つ以上の精液検査異常のリスクが有意に高いことも明らかになりました。
健康的な食事パターン（地中海式および健康的な植物由来の食事）は、精子の質に良好な影響を及ぼす一方、不健康な食事パターンはマイナスの影響を及ぼすことが示唆されました。
◎食事パターンと精子の質
今回の研究は健康な若い男性を対象に実施されましたが、これまで不妊治療クリニックに通院する男性患者を対象とした研究結果と一致するものでした。
全粒粉穀物や野菜、果物、豆類、ナッツ類、魚類を中心に食べる健康的な食べ方をしてる男性ほど精液検査結果が良好で、加工肉やファーストフード、揚げ物、砂糖入り清涼飲料水、精製穀物、ポテト、菓子・デザートをよく食べる不健康な食べ方をしている男性ほど精液検査結果が悪いというものです。
大切なことは、卵子と異なり、精子は毎日つくられていることから、その時々の栄養状態の影響を受けるということです。
そのため、健康的な食事や生活習慣を心がけることで精子の質がよくなる可能性があるということです。
全ての妊活男性に知っていただきたいことです。
文献）
Andrology. 2024 Oct 24. doi: 10.1111/andr.13789. Online ahead of print.
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お知らせ__________________________________________________________
東京都調布市のウイメンズクリニック神野主催の第32回不妊相談会が2024年11月9日の土曜日に開催されます。
院長の神野正雄先生は、情熱をもって不妊治療、特に、高度生殖医療に取り組まれ、高齢による卵巣機能低下が原因の不妊症に対して、独自の考え方と方法で、高い実績を挙げておられる先生です。
当サイトのドクターに訊くでも、「質のよい卵を育むための生活習慣～高齢不妊との正しい戦い方」というテーマでインタビューさせていただき、記事にしています。
神野先生は、現代における不妊の主な原因は、晩婚化によって、お子さん望むようになったときには、女性は、既に、妊娠しづらい年齢に差し掛かっていることが多くなったこと。
また、現代に特有の不健康な生活習慣、すなわち、夜更かし、ストレス、歩かない生活、質の悪い食生活などが、インスリン抵抗性を招き、卵子や精子の質を低下させていることを指摘されています。
さらに、抗糖化機能性食品「ヒシエキス」が、ART反復不成功の高齢不妊患者さんの妊娠率を改善することを臨床試験により見出され、国内や海外の学会で発表され、論文にもなっています。
これまでの不妊相談会では、なぜ不妊になるのか、カップルで取り組むべきことはどんなことなのか、高度不妊治療とはどんなものなのかを解説しています。
個別相談も可能だそうです。
※先着28名まで。
◎第32回不妊相談会
日程：2024年11月9日（土）
時間：13:00～15:00
場所：ウィメンズクリニック神野
定員：28名
費用：無料
参加希望の方は下記あてお電話でお申込みください。
０４２－４８０－３１０５
・詳細はこちら
https://www.akanbou.com/seminar/b675e3600bc13cbb69bbab0d4ad70ca069c7b0cd.pdf
・ウイメンズクリニック神野サイト
https://xs132599.xsrv.jp/index.html
編集後記____________________________________________________________
なにをどう食べるかが精子の質に影響するようです。
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妊娠しやすいカラダづくり［毎週末発行］ VOL.1115
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お子さんを望まれるカップルの"選択"や"意志決定"をサポートします。
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不妊に悩むカップルが、悩みを克服するために、二人で話し合い、考えを整理して、自分たちに最適な答えを出すためのヒントになるような情報を、出来る限り客観的な視点でお届けしています。
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発 行：株式会社パートナーズ
編 集：細川忠宏（日本不妊カウンセリング学会認定不妊カウンセラー）
企業サイト：https://partner-s.info/
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