体脂肪率が低いほど月経異常に

妊孕性に影響する因子

2004年08月15日

読売新聞 2004/08/15

オリンピッククラスの女子スポーツ選手は、体脂肪率が低いほど月経異常の割合が高くなることが、筑波大学の目崎登教授(スポーツ医学)の研究で判明しました。

オリンピッククラスの女子スポーツ選手は、体脂肪率が低いほど月経異常の割合が高くなることが、筑波大学の目崎登教授(スポーツ医学)の研究で判明しました。

アトランタ、シドニーオリンピック主要競技の女子の強化選手1772人と、普通の女子大生1786人を対象に、体脂肪率や月経異常の有無などを調査、比較したもの。

その結果、オリンピック強化選手の約4割が月経異常を経験しており、対象の女子大生の約3割と比較して多かった。
そして、スポーツ選手の体脂肪率と月経異常の関係を見ると、体脂肪率が10%を切ると全員に月経異常があり、12.5%に増えると半分に減少、体脂肪率が15%を超えると、月経異常になる割合は女子大生と同じ約30%の割合となった。

さらに、競技別では、体脂肪率が低い競技である新体操、体操、陸上中長距離選手に月経異常が多く、体脂肪率が比較的高いバレーボール選手は一般の女子大生とさほど差がなかった模様。

コメント

女性の月経サイクルはとてもデリケートでさまざな要因によって簡単に乱れてしまうようです。
過度の運動や肥満、やせすぎが無月経や月経異常の原因になることは、既に多くの研究者が指摘しているところです。

今回の調査はオリンピッククラスの選手が対象ではありますが、一般の女性で多いのはダイエットによって生理がこなくなってしまうケースです。
肥満の場合は、正しく減量することで比較的簡単に生理が復活するようですが、間違ったダイエットがきっかけで月経が止まってしまったケースは、やや難しいようです。

いずれにしても状態の良い卵子の排卵は毎周期の規則正しい月経サイクルが必要です。女性の生殖サイクルは毎周期、それぞれ独立して起こる訳ではなく、今周期は次の周期へ、次の周期はまたその周期へと、連綿と繋がっているものです。
ですから、一度、乱れてしまうとどうしても正常なサイクルに戻るのに時間を要してしまうもの。
無理なダイエット、間違ったダイエットには要注意です。

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