この調査研究は、27名の健康な男性を対象とし、毎月、精液のサンプルを提出後、射精頻度、禁欲期間、発熱の有無についてアンケートに回答してもらうという方法で、16ヶ月に渡って行なわれたものです。
それによりますと、精子の数や運動率、奇形率に季節的な変動は見られないものの、射精頻度は冬よりも春のほうが高かったとしています。
そして、週の射精頻度が高いほど、精子の数は低下傾向を示しました。週に2回射精した時の精子の数は週に1回の時に比べて、29%低下し、週に3回射精した場合は、41%低下しました。
ただし、精子の運動率や奇形率については射精頻度の影響は見られませんでした。
精液の特徴は、提出されたサンプルによって、それぞれの指標に大きな変動が見られますが、サンプルが3つになると、変動は落ち着く傾向にあるようです。そして、射精頻度や禁欲期間、発熱の有無はこれらの変動にほとんど影響を与えていませんでした。
研究者は、この変動が主に何によるものなのか、今回の研究では説明がつかないとしています。
ただし、精液の検査の際には、3回受けてみないとはっきりとした傾向はつかめないだろうと示唆しています。
コメント
射精回数と精子の数の関係は、これまでも多くの研究によって指摘されているところではあります。
実験結果の頻度と数の低下率を考慮に入れて、排卵日にあわせて夫婦生活をもつ場合、毎日が良いのか、隔日が良いのかを考えてみますと、それまである程度の禁欲期間があれば毎日夫婦生活をもったほうが、妊娠の確率を高めると言えそうです。
ただし、元々、数が少ないという問題を抱えておられる男性は隔日のほうが無難でしょう。
また、精液の検査は2回程度では分からない、3回受けなければ本当の傾向はつかめないというのは是非とも参考にして頂きたいところです。