普通であれば、この判明した程度の精液の質の低下くらいでは、男性不妊になることはない。
ところが、既に不妊に悩む男性にとっては、他のカラダに有害なものとあわさって、より状態を悪化させることになってしまうと、研究者は指摘しています。
喫煙と飲酒はどちらか一方ならまだしも、両方やるとなると、その悪影響は相互に作用するようだとしています。
この研究結果は生殖医療専門誌「Fertility and Sterility 8月号」に掲載されましたが、その中で、これまでは、喫煙や飲酒が精液に及ぼす影響についての研究では、どちらか一方しか調査されなかったこと、男性不妊の疑いのある男性を対象とした少人数への調査しか行なわれていないことを挙げて、アルゼンチンの研究グループは、29歳から36歳の4000人の男性を対象とした精液検査を実施したとしています。
その結果、喫煙と飲酒の両方の習慣がある男性には、どちらか一方、もしくはどちらもやらない男性には見られなかった精液の質の低下傾向があることを突き止めました。
1日にワインを500ml、だいたいグラス3杯程度を飲む男性は、それ以上に飲む男性と同じレベルのリスクがあり、20本のタバコを吸う男性は、それ以上の本数のタバコを吸う男性と同じレベルのリスクがあるとしています。
子供を持つことを希望する男性は、注意が必要のようです。
コメント
これまでも喫煙や飲酒習慣が男性不妊に及ぼす影響についてはさまざまな研究報告が、なされていました。ただし、ヘビースモーカーで酒飲みの男性が必ずしも男性不妊であることはありません。
今回の研究報告からも分かるように、さまざまな要因の一つであり、男性不妊に悪影響を及ぼす要因が重なれば重なるほどその影響は大きくなるようです。
現代の社会で生活するということは、心身両面で、男性の生殖能力を攻撃する因子に溢れているといっても過言ではありません。
自らコントロールできる因子だけでも避けるのが賢明ではないでしょうか。