ただし、 体外受精によって、多胎妊娠のリスクがとても高まり、多胎妊娠による早産やさまざまな合併症が伴うことになります。
さらに、体外受精による妊娠では、多胎ではなく1人の妊娠でも、早産や低体重児、1週間以内の死亡の確率が、自然妊娠の子供に比べて、ほぼ2倍になることが判明しました。
カリフォルニア大学サンフランシスコ校の不妊専門医は、たとえ、一人っ子の妊娠でも、体外受精による妊娠はリスクが高いようだと、今週、フィラデルフィアで開催されているアメリカ生殖医学会で発表しました。
26年前に始められて以来、世界中で、体外受精による子供は100万人以上生まれてるにもかかわらず、その安全性についての疑問は常につきまとっています。
アメリカでは、全体の1%にあたる4万人の子供が、年間に体外受精によって生まれています。
研究者は、 体外受精による一人っ子の生まれて1週間以内の死亡率が2%で、自然妊娠の2倍に確率であることをつかみました。
ところが、双子の場合は逆で、生まれて1週間以内の死亡率は、自然妊娠による双子に比べて、低いことが分かりました。
また、体外受精による一人っ子は、早産や低体重児になるリスクが高いものの、問題なく成長し、1才になるまでに追いつくことも判明しました。
そして、体外受精によって、知性や運動能力、感情面等の全般的な発育状況は、一人っ子であろうと、双子であろうと、影響は認められませんでした。
いずれにしても、体外受精によって生まれた子供の健康問題は、更なる調査研究が必要なようです。
コメント
不妊治療を受けていて、体外受精へのステップアップを医師から打診、または、勧められたときに、誰しも悩むのは、体外受精によってできた子供の出世後、将来に渡っての健康や知能への悪影響です。
今回の報道にもあるように、概ね、問題はないだろうとのことですが、ところが、日本では、それぞれの医師や施設での経験ベースによる情報しかないようです。
さらなる、調査の結果が待たれるところです。