睡眠を促すホルモン、メラトニンが生殖機能障害を引き起こす可能性

妊孕性に影響する因子

2005年02月09日

時事通信

脳の松果体でつくられ睡眠を促すホルモンとして知られるメラトニンが、生殖腺の発達や機能を抑制する脳ホルモンを調整していることを、広島大学統合脳化学プロジェクト研究センターの研究グループがウズラの実験により発見し、米科学アカデミー紀要の電子版に発表しました。

研究グループの筒井教授は、不妊治療などにも応用が可能とし、サプリメントとして人気の"メラトニン"の摂り過ぎは、生殖機能障害を引き起こす可能性があると指摘しています。

コメント

女性の毎月の生殖プロセスの規則正しい進行をつかさどっているのは、脳から分泌されるホルモンです。
まずは、視床下部から下垂体へ"性腺刺激ホルモン放出ホルモン"が分泌されると、視床下部から卵巣へ "性腺刺激ホルモン"が分泌されます。
性腺刺激ホルモンには卵胞の発育を促す"卵胞刺激ホルモン"と、排卵を促す "黄体形成ホルモン"の2種類があります。

今回、発見されたのは、視床下部から下垂体へ分泌される"放出ホルモン" の逆の作用の "抑制ホルモン"のようです。生殖器官の機能を抑制するホルモンですから、このホルモンの分泌量によって、不妊になる可能性が考えられるのです。そして、この抑制ホルモンの調節に"メラトニン"が関与しているというのです。

メラトニンは、不眠症や時差ボケの改善に人気のサプリメントですが、やはり、ホルモン系のサプリメントは、このように、予期せぬ作用があることが多いため、使用を控えたほうが賢明なようです。

また、メラトニンは、脳の松果体から分泌されるホルモンで、体内時計の調節にも関与しています。
このため、規則正しいライフスタイルが大切であるだということです。

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