PCOSは、卵胞はできるものの、十分に発育しないために排卵できず、それにより、卵巣の表面がかたくなり、余計に排卵できなくなるという悪循環に陥った状態です。
男性ホルモンのテストステロンが過剰な分泌によるものと考えられ、体毛が濃くなったりする事もあります。
研究は、21名のPCOSの女性に、8週間の食事療法の後、メトフォルミン、もしくは、オーリスタットを処方した。
3ヶ月後、いずれのグループもテストステロンの値が低下し、オーリスタットを服用したグループのほうが体重の減少は大きかったとのこと。
コメント
ゼニカルは、アメリカ等の海外で販売されているダイエット薬です。
食事からの脂肪は、リパーゼという酵素の働きで胃や腸で分解されますが、このゼニカルはこのリパーゼの働きを抑制し、食べた脂肪を吸収させないようにします。
ただし、日本では医薬品として認可されていませんので服用することは出来ません。
今回の研究発表は、PCOSという代表的な排卵障害の原因となる病気が、決して、生殖器官の機能の異常だけの問題ではないことを示唆していると言えます。
ということは、一般的な不妊治療では、PCOSによる排卵障害でも、クロミフェン等の排卵誘発剤で治療を試みることが多いようですが、カラダ全体の問題として、食生活や生活習慣の見直すという観点が不可欠ではないでしょうか。