不妊とストレスの関連性はこれまでの研究によって指摘されているところですが、「Conceive」は、ストレスから開放されることによって妊娠を目指すために、開発された音楽療法プログラムとのこと。
「Conceive」は、2枚組CDセットで、15分の音楽が15曲からなる120分のプログラム、自然の音とコンピュータの音を組み合わせた静かなインストルメンタルで、気持ちを落ち着かせ、ホルモン環境に良い影響を与えるそうです。女性には、排卵の前後4日間に聴くことを勧めています。
29.95ドルで、インターネットでも販売されています。
コメント
音楽療法による不妊改善ということでしょうか。
実際に発売元のPharmonics社のサイトには、不妊とストレスの関係や音楽が不妊改善にどのように作用するのか、きちんと説明されているようです。
ただ、不妊専門医や専門家の評価は厳しいようです。
例えば、ジョージワシントン大学のIVF不妊センター長は、ストレスと不妊との関連は、いくつか報告されてはいるが、強いストレスが排卵を妨げたり、サイクルを乱したりするということ以外には、きちんとした臨床試験によって、関連性を確認されたものはない。」としています。
そして、「音楽は、気持ちを慰めてくれるかもしれません。ただし、耳への刺激以上の効果を期待すべきではありません。」と厳しい。
ハーバードメディカルスクールの助教授で、ボストンIVFで女性のためのマインドボディセンターの長は、「不妊に悩む女性は、藁をもすがる思いでいるので、もしも、こにおCDセットを聴いても妊娠出来なかったらより落ち込むことが心配。」とし、「長く不妊に悩んできた女性は、とっても過敏になっていて、治療費もとっても高額なので、たった30ドルで妊娠できるとなれば、飛びつく可能性が高いのでは。」と指摘しています。
もちろん、音楽が不妊に効くというような科学的な証明は不可能でしょう。
ですから、CDセットを購入して聴けば妊娠出来るというものでもないでしょう。
ただし、たとえば不妊の期間を経験することや、不妊治療を受けることで感じるストレスが大きいことは確かです。
そんなストレスがより妊娠を妨げることのないように、音楽を利用することは決して無駄なことでしょう。
まあ、その場合でも、自分好きな音楽を聴けばよいとは思うのですが。
要は、使い方次第、ということでしょうか。