この試験結果は、ライバル(男性)の存在が、精子が、ライバルの精子との競争に打ち勝って卵子に到達するために、本能的に、より質の高い精子を射出させることを示唆しているとのことです。
この試験は、オーストラリアの大学で実施されたもので、52人の18歳から35歳の男性に、2~6日間の禁欲後、2種類のポルノを見た後に、精液を容器に射精してもらいました。
その結果、2人の男性と女性のポルノを見た男性の精子の運動率は52%、女性だけのポルノを見た男性のほうは49%で、有意差があったとしています。
ところが、精子数のほうは逆の結果が出たようで、2人の男性と女性のポルノを見た男性の精子数は1ミリリットル当たり6100万だったのに対し、女性だけのポルノの方は7700万だったようです。
さらなる調査が必要であるとしています。
コメント
この試験は、動物学者によって実施された研究です。
そして、人間にも他の動物のように、他の男性が存在する場合、精子の競争に打ち勝つために、精子をより妊娠させやすい状態にするようなメカニズムが存在するのではないかとしています。
これは、メスが複数のオスと交尾するような動物では、よく知られたメカニズムだそうです。
今回の試験結果からはなんとも言えないところでしょうが、これまで、「精子競争」については、有名な研究があります。
それは、イギリスのマンチェスター大学のロビン・ベイカーの大規模なインタビュー調査で、主たる性的パートナーと最後に性交を行った日から一緒にいる時間が少ないほど、男性はより多くの精子を放出することを確認しています。
要するに、女性が他の男性と"不倫"をしている可能性が高いと、ライバルに負けまいと、より多くの精子を放出すると考えられるというのです。
私たち人間も含めて、動物には、自分の子孫を残すための、さまざまな複雑なメカニズムが備わっているようです。