それによると、1~2日の禁欲後に男性不妊患者の精液の質の低下が始まるとしています。
WHOの見解は、2~7日の禁欲後の精子が受精能に優れているとしていますが、今回の研究報告は自然妊娠でも、不妊治療においても参考になるものでしょう。
研究は、6008人の男性から9489の精液のサンプルの提供を受け、精液の凝集や正常な精子の割合、運動精子の割合、精液の量を禁欲期間ごとに調査したもの。
そのうち、3506のサンプルは精子の数が低かったのですが、禁欲1日後が最も多く、その後、減少してきました。また、運動率も禁欲1日後が最も高く、その後低下していきます。さらに、正常な精子の割合においても同様でした。
正常な精子数のサンプルでは、禁欲2日間は多少減るものの、その後は徐々に増え続け、禁欲6、7日後にピークになりました。運動率は禁欲1日後は高くなって、禁欲7日後までレベルが維持されていました。
この調査結果から、研究に携った研究者は、男性不妊患者からは、1日の禁欲後の精液を採取すべきであると結論付けています。正常な男性であれば、禁欲7日後の精子が状態がよいけれども、10日以上というのは薦められないとしています。
コメント
禁欲期間をある程度設けることが大切なことは知られていましたが、もともと精液の状態が正常な男性と精子の数に問題のある男性ではこのような違いがあることは、興味深いものです。
自然妊娠の場合を考えると、排卵日のタイミングを意識して、ピンポイントの夫婦生活よりも、タイミングは気にせずに、2~3日に1日リラックスして夫婦生活を楽しむのが、最も妊娠しやすい夫婦生活といえるのかしれません。