顕微授精による知能障害は認められない

不妊治療のリスク

2005年06月27日

BBC

ベルギーの研究者は、151人のICSI(顕微授精)によって出生した8歳の子供を、自然妊娠によって出生した同人数の子供と 試験して比べた結果、なんら、自然妊娠によって生まれた子供と能力的には変わらないことを、ヨーロッパ生殖医学会にて発表しました。

顕微授精によって、妊娠、出生した子供は、自然妊娠で生まれた子供に比べて、身体や知能の発育において、劣っているのではないかという懸念が常に指摘されてきました。

それは、 過酷な生存競争によって勝ち抜いた精子が卵子と出会い受精するのに比べて、人為的に選ばれた精子が、人為的な助けを借りて卵子と受精するため、要するに、生存競争に勝ち抜いた精子に備わっているであろう強さは、人為的に選別された精子には期待できないのではないかという心配からです。

新しい研究結果は、そのような懸念を打ち消してくれたようです。

試験の結果は、ICSIの子供の知能指数が112だったのに対して、自然妊娠の子供のそれは107と、ICSIの子供のほうが5ポイント知能指数が高かったのです。

この結果から言えることは、知力は授精の形態よりも、生まれてからの親の育て方次第だと指摘しています。

コメント

ヨーロッパでは、いまや、高度な生殖医療の半分以上が顕微授精だそうです。
それだけ、男性不妊が増えているということとともに、体外受精において、高い受精率に期待するようになっているものと思います。

年々、実施数が増え続けているのに伴って、その長期間に渡る健康や知能に及ぼす影響の調査も多く実施されています。

今回の報告はその一環で、特に知能面を調べたようで、ひとまず、なんら問題はなかったとのこと。

子供の知能の成長で大切なのは親の育て方だそうです。