カナダのオンタリオ州のオタワ大学の研究者による調査で、産婦人科の専門誌「American Journal of Obstetrics and Gynecology」の最新号に掲載されました。
同じ年齢の女性を母親とする2303組の体外受精によって生まれた双子と、2326組の自然妊娠によって生まれた双子を調査、比較しました。
それによりますと、体外受精による双子は、自然妊娠による双子に比べて、早産になる確率が、50%も高かったようです。
ただし、低体重については、ほとんど差は見られなかったようです。
また、体外受精による双子は、NICU(新生児集中治療室)でケアされる割合が2倍で、帝王切開になる割合は、33%高かったとしています。
さらに、死産や超低体重、妊娠合併症の発症率、先天性欠損症の割合については、変わりなかったようです。
早産の増加について考えられる要因としては、体外受精技術によるものや不妊の原因に由来するもの、医師や患者の不安等が挙げられています。
コメント
体外受精等の高度な不妊治療を受ける際に、気になるのは、妊娠できるかどうかということと同じくらい、"不自然な"妊娠の形態によって、何らかの悪い影響が出ないかということではないでしょうか。
今回の調査は、体外男受精で、かつ、双子であった場合のリスクを、自然妊娠の双子の場合と比較しています。
早産の割合が高くなるものの、その他は、ほぼ自然妊娠と変わらないようです。
日本産科婦人科学会では、妊娠22週以降37週未満の分娩を早産としています。
今回の調査で明らかになったのは、早産でも、妊娠32から36週の分娩が増加しているようです。そして、この週数であれば、それほど心配するような影響は出ないようです。