妊娠初期の葉酸不足は低体重児の出産リスクを高める

不妊治療のリスク

2005年08月10日

the British Journal of Nutrition 2005 May 93(5)563-9

妊娠初期に、母親になる女性の体内の葉酸が不足すると、低体重児が生まれやすくなることが、イギリスのニューカッスル大学の研究チームの1000人の女性とその出生児を対象とした調査によって、明らかになり、専門誌「the British Journal of Nutrition」に発表されました。

低体重児は、呼吸障害や糖尿病等のリスクを高めます。

これまで、妊娠を意識した女性は、二分脊椎症のような神経管閉鎖障害を予防するために、葉酸のサプリメントを摂取することが推奨されています。

ところが、葉酸と低体重児出生の関連性が言及すぁれたのはこれが初めてです。

この研究結果は、すべてのパンやシリアルに葉酸を栄養強化する動きを加速させるであろうと、研究チームは指摘しています。

また、喫煙によって葉酸の血中濃度が低下していることが原因となって、タバコを吸う女性と低体重児を出産するリスクとの関連性が明らかになりました。

コメント

妊娠を意識した女性は、1日に400マイクログラムの葉酸を、サプリメントで摂取することが推奨されています。

これは二分脊椎症のような神経管障害の予防のためであったのですが、今回の研究結果は、低体重児の予防にもなることを示唆しています。

ただし、先天性の障害や低体重児は、決して葉酸の不足だけで発生するものではありません。ですから、葉酸のサプリメントさえ摂取していれば大丈夫ということではなく、
バランスのとれた食生活が基本であることを忘れてはならないと思います。

■参考サイト
厚生労働省のページ
http://www1.mhlw.go.jp/houdou/1212/h1228-1_18.html

国立栄養健康研究所「話題の食品成分の科学情報・葉酸」
http://hfnet.nih.go.jp/contents/detail.php?no=652

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