不妊症と診断された男性は、精巣ガン検査の受診を怠らないようにすべきです。ただし、不妊治療のせいで精巣ガンが増えるわけではないとしています。
男性不妊は、内分泌系の不妊治療医にかかり、男性不妊そのものへの治療よりも、体外受精を受けるのが一般的になりつつあります。
ただし、多くのケースでは、もともと、精巣ガンになる割合が高いとされている、生まれた時におなかの中から精巣が陰嚢まで降りてこない停留精巣以外に、男性不妊と精巣ガンの共通の原因があることが分かっています。
不妊男性の精巣ガンにかかる人の割合を調べるために、New York-Presbyterian/Weil Cornell Medical Centerの過去10年間に診察した男性不妊患者、3800人を調べたところ、精巣ガンと診断された男性が10人でした。
National Cancer Institute が運営するデータベース、SEER(Surveillance Epidemiology and End Results )にあたったところ、不妊の男性は、同年代の一般の男性に比べて、22.6倍も精巣ガンにかかりやすいことが分かりました。
10名の精巣ガンの男性のうち、2名が停留精巣でしたが、彼らを除いても、18.3倍も精巣ガンにかかりやすいとのことでした。
もしも、男性不妊と診断されればたとえ、不妊治療により妊娠できたとしても、泌尿器科で検査を受けるべきであるとしています。
そして、不妊は、糖尿病や甲状腺の状態、その他のガン等の病気のサインでありうることを、知る必要があるとしています。
コメント
この記事は大変大切なことを伝えているように思います。
それは、男性に限らず、女性でも、不妊治療は妊娠という結果を出すことが目的ですから、不妊を招いている根本原因に目をむけ、改善を図るというよりも、体外受精や顕微授精のようなプロセスを迂回することを補助する治療によって、早期の妊娠を目指さざるを得ない事情があります。
そして、そのことは、たとえ、高度な治療によって妊娠できたとしても、不妊を招いていた根本の原因をそのままにすることから、長い目でみると、何らかの影響が出る可能性を否定出来ないことを、認識しておく必要があると思います。