自分の卵子で45歳女性出産(顕微授精)

妊孕性に影響する因子

2005年12月14日

共同通信

45歳の女性が顕微授精によって妊娠、出産されたというニュースです。

不妊治療を実施したクリニックの院長によると、自分の卵子による体外受精の出産では、国内最高齢ではないかとしています。

女性は結婚後、10数年たっても子供が出来ず、昨年、検査でみつかった子宮筋腫の摘出手術を受けたあと、今年の3月に顕微授精を受けられたようです。

ただ、それまでの不妊の原因が子宮筋腫だったのかは不明です。

また、女性の年齢による妊孕性には個人差がありますので一概には言えません。

因みに女性が40歳以上の体外受精の治療成績は、10%を下回ります

また、体外受精による治療がどうしても必要な不妊原因があるケースは別として、自然妊娠の可能性があるケースでは、体外受精の治療成績と自然に任せた場合の妊娠率はそれほど差がありません。

ですから、女性の年齢が、40歳を超えると、状況次第では、自然に任せるという選択肢も理にかなった方法になってきます。

このように、複数の観点から検討する必要があります。

コメント

■解説その2(後付けの解説) 2005/12/23追加

この記事中の医師のコメント、「自分の卵子のよる体外受精の成功例としては国内最高齢」というのは、誤りではないかとの指摘を多くの読者の方々から受けました。

ある読者の方から教えて頂いたベイビーコムというサイトの「高齢出産ボイス」という掲示板では、実際に、46歳でご自身の卵子による体外受精で妊娠、出産されたご本人の書き込みがあり、どうやら、45歳が最高齢というのは、誤りのようです。

安易にリンクしてご紹介したことを反省している次第です。

この類の情報は、40代で治療に取り組んでおられる方々によっては、励みとして、心の支えになるか、はたまた、落胆させられるか、気持ち的には、それほどの落差のあることで、慎重に紹介する必要があるように思います。

ただし、アメリカやイギリスのように、公的な機関が全ての施設の治療成績を公表されていない日本では、肉的的、精神的、経済的に大きな負担を伴う治療であるにもかかわらず、大切な判断の材料にできる正確な情報が手に入らないことが、このような記事に一喜一憂したり、うわさの類の2次情報に惑わされる根本的な原因であるように思います。

現に、前述の掲示板でも、 45歳が最高齢であることが間違いであるとの根拠に挙げているのは、ほとんどが、2次情報であり、さらには、当の北九州市のクリニックでは、49歳の女性が治療により妊娠、出産したと院長自信が語っていると指摘されていますが、それは、高度生殖補助医療ではありますが、体外受精とは、区別されているGIFTという治療法であったりします。

日本でも、1日も早く、行政が不妊治療を受ける患者の立場を強くする必要性に目覚め、不妊治療情報を公的な機関が整備、公表することを望んでやみません。

それと同時に、患者側も、このような環境であるからこそ、サバイバル感覚を養い、自ら、勉強し、判断力を高めるように努力することも、また、大切なことのように思います。

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