卵巣にできた子宮内膜症が原因でできる卵巣嚢腫は、別名、チョコレート嚢腫とも呼ばれ、嚢腫には、しばしば、卵巣組織が含まれます。
イタリアのミラノの大学(Universita Degli Studi di Mikano )の研究チームは、過去に腹腔鏡手術による卵巣嚢腫切除を受けて、体外受精や顕微受精等の不妊治療によって妊娠を希望する38名の女性を対象に、不妊治療での卵巣刺激の結果を調べました。
それによりますと、腹腔鏡手術後、質のよい卵胞の数は60%、卵子の数は53%、胚の数は55%、そして、質のよい胚52%と、それぞれ、数は減ったものの、受精率やグレードのよい胚の割合は、一般(手術を受けていない)の人と同等でした。
研究チームは、受精率や良好なグレードの胚の割合は、過去の子宮内膜腫の切除の影響を受けないと結論づけています。
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卵巣嚢腫とは、卵巣にできる腫瘍で良性のものに分類されていますが、卵巣にできた子宮内膜症が原因でできる嚢腫は、卵巣嚢腫の一つとされています。
今回、報道された研究は、腹腔鏡手術によって嚢腫を切除した後でも、採卵数等が減少するものの、受精率やグレードのよい胚を得られる割合には、変化がなかったとして、妊娠する力は低下しないことを明らかにしました。
■参考サイト:
「卵巣嚢腫」
「チョコレート嚢腫ってなんですか?」