アメリカの体外受精学会(The Society for Assisted Reproductive Technology SART)は、最近、40歳以上の女性への胚移植数は、5個が望ましいと発表したのですが、それを裏付ける格好になったようです。
ボストンのthe Brigham and Women's Hospital Center For Reproductive Medicineの研究者は、40歳以上の女性に、1個から11個の胚移植を試みて、その結果を比較検討しました。
863回の移植のうち、142名がちょうど5個の胚移植を受け、392名は5個未満、329名は6個以上の胚移植を受けました。
その結果、5個未満の場合は妊娠率が19%、産生率が4%でしたが、5個の場合は、妊娠率が40%、産生率が23%でした。そして、6個以上の場合は、妊娠率が47%、産生率が22%だったのですが、同時に、多胎妊娠のリスクが高まりました。
6個以上の胚を移植しても、多胎率が上がるだけで、産生率はほとんど変化がみられないことから、高齢女性の胚移植数は、SARTの推奨する5個が適切であるとしています。
コメント
40歳以上の女性の場合は、そもそも、良好な受精卵を得られるかどうかというテーマもあります。
また、日本では学会のルールで移植する胚の数は3個までとされています。