高齢女性(40歳以上)への胚移植数は5個が適切

不妊改善・生殖医療関連

2006年01月19日

Fertility and Sterility Vol.84 Issue6 P.1637-1642 (Dec. 2005)

40歳以上の女性への体外受精時には、5個の胚を移植するのが最もよい結果を招くとアメリカの研究で明らかになりました。

アメリカの体外受精学会(The Society for Assisted Reproductive Technology SART)は、最近、40歳以上の女性への胚移植数は、5個が望ましいと発表したのですが、それを裏付ける格好になったようです。

ボストンのthe Brigham and Women's Hospital Center For Reproductive Medicineの研究者は、40歳以上の女性に、1個から11個の胚移植を試みて、その結果を比較検討しました。

863回の移植のうち、142名がちょうど5個の胚移植を受け、392名は5個未満、329名は6個以上の胚移植を受けました。

その結果、5個未満の場合は妊娠率が19%、産生率が4%でしたが、5個の場合は、妊娠率が40%、産生率が23%でした。そして、6個以上の場合は、妊娠率が47%、産生率が22%だったのですが、同時に、多胎妊娠のリスクが高まりました。

6個以上の胚を移植しても、多胎率が上がるだけで、産生率はほとんど変化がみられないことから、高齢女性の胚移植数は、SARTの推奨する5個が適切であるとしています。

コメント

40歳以上の女性の場合は、そもそも、良好な受精卵を得られるかどうかというテーマもあります。

また、日本では学会のルールで移植する胚の数は3個までとされています。

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