ガン治療後の生殖力温存のための新たなガイドライン

不妊改善・生殖医療関連

2006年05月06日

Health Day

ガン治療を受けなければならない患者に向けた治療後の生殖力温存のための新たなガイドラインが、専門家によって作成されました。このガイドラインは、6月20日発行の「the Journal of Clinical Oncology」に掲載される予定です。

ガンにかかること、或いは、その治療は、時として、患者の生殖力を低下させます。
それは、男性にとっても、女性にとっても同様のことで、抗ガン剤による化学療法や骨盤内への放射線療法や手術は、一時的、或いは、永久に生殖能力を損なわせてしまう可能性があるというわけです。

America Society of Clinical Oncology(アメリカ臨床腫瘍学会)が発表した新ガイドラインは、

◎潜在的リスクについて早期の告知

ガンの診断を受けた子供をもつ可能性のある年齢の患者は、ガン治療の潜在的なリスクとしての不妊について、出来るだけ早期に、伝えられるべきである。

◎選択肢の提示

主治医はこれから受けようとする治療が不妊を招く恐れがあるものかどうかを見極め、患者が、将来的に妊娠する(させる)希望を持っているかどうかを確認し、どのような生殖力温存の方法があるのかを伝え、どのタイミングで受けるべきかを伝えること。

◎生殖医療専門医を紹介

生殖力の温存を希望する患者には、選択や判断の支援や不妊治療の計画のために、生殖医療の専門家を紹介するべきである。

コメント

生殖医療の進歩によって、精子や受精卵の凍結はもちろん、未受精卵の凍結保存さえも可能になった今日、たとえ、未婚であっても、ガン治療後に生殖能力を温存することが夢ではなくなっています。

ところが、それにもかかわらず、生殖能力温存が可能であることを知らされずに、ガン治療を受ける患者は大勢いるとのこと。

まずは、ガン専門医への周知徹底が望まれるところです。

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