男性の年齢と治療成績の関係

男性の妊娠させる力に影響を及ぼすもの

2006年05月25日

Fertility and Sterlity Vol.85 Issue5 P.1420-1424 May 2006

女性の生殖力が35歳以降に低下するのと同様に、男性の生殖力も40歳以降は低下するのではないかと、フランス国立衛生医学研究所のDr.Elise de La Rochebrochardらは、研究結果を生殖医療専門誌に発表しました。

調査は約2,000組の体外受精を受けたカップルを対象に実施されました。その結果、男性の年齢が40歳以上のカップルは、男性の年齢が30歳以下のカップルに比べて、女性の年齢にかかわらず、妊娠率が70%低かったとのことです。

これまでの研究でも、男性の年齢が高くなるほど、妊娠させにくくなることは指摘されていましたが、それは、生殖能力の低下によるものなのか、それとも、性的な活動の低下によるものなのかは、定かではありませんでした。

Dr.Elise de La Rochebrochardらは、今回の研究結果が、男性の生殖能力の低下、すなわち、精子の質の低下によるものであることを、初めて明らかにしたのではないかとしています。

年齢因子は、母親になる女性にかかわるものだけでなく、父親になる男性にも言えることであると結論づけています。

コメント

年齢というと、母親になる女性の年齢というのがこれまでの常識でしたが、最近は、男性の年齢も同様に影響を及ぼすのではないかという研究結果がちらほら出てきています。

ただ、男性の場合は、精子の数や運動率という数字が出ますから、判断しやすいようには思います。

そのような数値に表れない質というのもあるのかどうか分りません。

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