ノルウェイのSt Olavs University Hospitalの研究チームによって、845,000の妊娠例を対象として実施された調査研究によりますと、前置胎盤の発生率は自然妊娠の場合は、1000に3(0.3%)であるのに対して、体外受精の場合は、1000に16(1.6%)に高くなったことが判明しました。
また、2回妊娠した女性では、2回とも自然妊娠の女性では、1000に7(0.7%)、1回は自然妊娠で、もう1回は体外受精を受けた女性では、1000に20(2%)でした。
前置胎盤とは、胎盤の一部、または、ほとんどが子宮下部に付着し、子宮口をふさいでしまう状態のことを言います。
前置胎盤は、大量の出血の原因となったり、早産のリスクを高めたりします。
これまでも体外受精によってリスクが高まるのではないかとされていましたが、今回のような大規模な調査によって確かめられたのは初めてのことです。
前置胎盤がおこるメカニズムはよく分っていませんが、体外受精が、何らかの引き金になっている可能性が考えられるところで、例えば、自然妊娠よりも、子宮の下部に胚を移植することです。
研究チームは不妊治療医に、胚移植時の胚の子宮に移植する位置を記録するように呼びかけています。
そして、今後の研究を見守りたいとしています。
コメント
それほどおこる確率が高いわけではありませんが、体外受精によるリスクの1つと言えるかもしれません。
前置胎盤と一口に言っても、子宮口をふさぐ程度は様々なようです。