未受精卵の有効な凍結保存法が開発、発表さる

不妊改善・生殖医療関連

2006年06月20日

REUTERS

チェコのプラハで開催されているヨーロッパ生殖医学会において、東京の加藤レディースクリニックの桑山博士は、未受精卵を質を損なわずに凍結保存する方法を発表しました。

ガン患者の女性にとっては、放射線治療前に卵子を凍結保存しておくことで、治療によって生殖能力が損なわれても、将来、凍結保存した卵子を使って体外受精を受けることで、子供を持つことが可能になるものです。

凍結保存して、解凍後に不妊治療に使うことが一般的になっている精子とは異なり、未受精卵は、 壊れやすく、解凍時にダメージを受けることが多いことから、未受精卵の凍結保存は困難なものとされており、これまで、世界中で、妊娠、出産に成功したのは150例にしか過ぎませんでした。

桑山博士は、これまでの方法に比べて、短時間で凍結する技術を開発、これにより、 加藤レディースクリニックでは、高い解凍率を得ることが出来たと発表しました。

この未受精卵凍結法により、111の凍結卵のうち、94.5%が解凍に成功、その後の体外受精による妊娠率は41.9%で、新鮮胚の42.5%に匹敵するものでした。

コメント

この技術によって、未受精卵の凍結保存が一般的になる可能性が高くなったようです。

もしも、そうなれば、女性のガン患者にとっては大きな福音になるでしょう。

また、キャリアを積むため、或いは、その他の理由で、子供を作るのを先送りしようと考える女性にとっても、卵子の質が低下する前に、卵子を凍結保存することが可能になりますが、専門家は、生殖医療の新しい時代を築く画期的な技術が開発されたとしながらも、ガン治療等の致し方ない事情がない女性は、出来るだけ早くに、自然に、妊娠、出産すべきであるとの見解を示しています。

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