4つの薬の組合せが原因不明の習慣性流産に有効

不妊改善・生殖医療関連

2006年07月29日

Fertility and Sterlity Vol.86 Issue1 P.145-146

原因不明の流産を繰り返す女性にとって、プレドニゾンやアスピリン、葉酸、プロゲステロンの4つの組合せが有効であると、オーストリアの研究グループが 試験によって確認し、生殖医療専門誌に発表しました。

流産は妊娠20週未満で妊娠が中断してしまうことで、全妊娠の約10~15%の頻度で起こるとされています。
この流産が2回続いた場合を反復流産、3回以上の場合を習慣性流産と呼ばれています。

母親になる女性の年齢が高くなるほど、また、喫煙や飲酒、その他の要因で流産のリスクが高まりますが、そのほとんどは原因不明です。

オーストリアのUniversity of Vienna School of Medicineの研究チームは、50人の習慣性流産の女性に、最初の12週までプレドニゾン(1日に20mg)とプロゲステロン(1日に20mg)、38週までアスピリン(1日100mg)、そして、全妊娠期間中に葉酸(隔日に5mg)を服用してもらいました。

そして、その結果を何も服用しない、同じ年齢の習慣性流産の女性52名の対照グループと比較しました。

その結果、4つの薬を服用したグループの出産に至った割合は77%で、対照グループは35%でした。

最初の3ヶ月とその次の3ヶ月の間の流産率は、服用グループで19%、対照グループで63%、最初の3ヶ月では服用グループでの流産はゼロ、対照グループでは2%でした。

また、副作用も確認されませんでした。

このことから、研究チームは、4つの薬の組合せが習慣性流産の治療に有効であることが判明したとして、さらなる試験を呼びかけました。

コメント

1回流産したとしても、その後に流産する確率が特に高くなりません。

ただ、2回続くと、3回目に出産に至る確率がやや低下することから、女性の年齢にもよりますが、検査を受けたほうがよいとされています。

さらに、3回続けて流産を経験した場合は習慣性流産として検査を受けて、原因を調べ、それに応じた対応が必要になってきます。

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