研究チームは、乳児期に授乳によるの母親とのスキンシップが、重要な要因ではないかと考えているようです。
調査は、対象とした子供の両親に、子供が 5~10歳の間の離婚や別居等の家庭の問題についてインタビューする一方で、子供の教師には、それぞれの子供の精神的な不安定さを0~50のスコアに評価してもらいました。
例えば、母親の精神状態や両親の学歴、社会的な地位、喫煙習慣等、子供のストレスへの反応に影響を及ぼす要因も調査しましたが、母乳かどうか以外の要因の影響は、今回の調査にはみられませんでした。
両親が離婚したり、別居したりした子供は精神的な不安定さを示しますが、ほ乳瓶のミルクで育てられた子供は、両親の離婚や別居について、精神的な不安的スコアが同学年の子供に比べて9倍であったのに対して、母乳で育てられた子供はほぼ2倍でした。
研究チームは、母乳そのものが、ストレスに強い子供にしたわけではなく、授乳による母親と子供の絆の強さが、子供の安心感や安定感を与え、ストレスに対してうまく対応出来るようになったのではないかと考えています。
このことは動物による実験でも確かめられています。
また、母乳は子供がアレルギー性の疾患にかかるリスクを低下させるだけでなく、母親のホルモンバランスを整え、産後出血のリスクが低くなるなど、子供にも母親にも母乳のメリットは大きいとされています。
コメント
子供を産めば、お乳が出て、それを子供に与えるのは、まさに、自然なメカニズムに沿ったことで、そのことが、子供や母親の心身にプラスに働くことは当然と言えば、当然なことです。
母乳で育てればプラスに働くという発想自体が間違っているのかも知れません。
不妊治療を受けることによる子供へのリスクの可能性があるのであれば、母乳で育てることの意義は、決して小さいものではありません。