アスピリンは習慣性流産の予防に有効

不妊改善・生殖医療関連

2006年08月23日

Fertility and Sterility  Vol.86 Issue2 P362-366

原因が分からない習慣性流産の女性には、アスピリンや他の抗凝血薬で血栓が出来るのを予防することが、流産の予防に有効であるとイスラエルの研究者が報告しています。

Tel HashomerにあるSheba Medical CenterのDr.Mordechai Dolitzkyらは、104名の原因不明の習慣性流産の女性に、アスピリン、もしくは、エノキサパリン(ヘパリン)を処方し有効性を確認したところ、いずれのグループも出産率は81%を超えました。

コメント

続けて3回流産した場合を習慣性流産と言われています。

一般的には、流産は全ての妊娠の10~15%の割合で起こります。

その原因の7割は胎児の染色体異常と考えられており、防ぎようのない流産と言えます。

ところが、1度流産した場合、続けて流産する割合となると1%、3回以上続けて流産する確率は0.4~1%になり、母親や父親側に何らかの原因が存在する可能性が高くなってきます。

因みに、なんの治療もうけなくても、2回流産した女性が、3回目も流産する確率は25~30%、3回流産した女性が、4回目も流産する確率は40~50%と言われています。

今回報告されたアスピリン等の血液を固まりにくくする薬によって、流産のリスクが低下することは、これまでも報告されています。

8割を超える出産率は上記の数字と比較すると有効であったことが分かります。

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