ヒトパピロマウイルス(HPV)感染は体外受精の成功率を低下させる

不妊改善・生殖医療関連

2006年09月21日

Fertility and Sterility Vol.86 Issue 3 P.765-767

尖圭コンジローマとよばれる性器イボや子宮頸ガンの原因となるヒトパピロマウイルスに感染していると、体外受精の妊娠率が、大きく低下することがアメリカの研究で明らかになりました。

the New York Hospital-Cornell Medical CenterのDr.Steven Spandorferらは、体外受精を受けている106名の患者を対象に検査したところ、17名の女性がヒトパピロマウイルスに感染しており、体外受精の妊娠率が23.5%と、感染していなかった女性の妊娠率の57.0%を大きく下回ったことを確認しました。

コメント

ヒトパピロマウイルスは性行為で感染する性感染症の1つです。

遺伝子型によって100種類以上のタイプがあって、その中には、尖圭コンジロームとよばれる性器イボを発症させたり、子宮頸癌のリスクを高めたりすることが知られています。

今回の報告では、どの遺伝子タイプかは明らかにされていませんでした。

このウイルスは、性交渉の経験のある女性であれば、ほとんどのヒトが感染している可能性があると言われているほど、よくあるウイルスですが、ほとんどは、無自覚のまま、免疫力によって、排除され、感染はなくなるようです。

これまで、このウイルスと不妊症との関連はないとされていましたが、検査だけでも受けておくに超したことはないかもしれません。