調査は、2004年9月から2005年10月までの間に、男性不妊と診断された364名を対象に実施され、精液検査とともに、携帯電話の使用頻度についてインタビューを実施しました。
ほとんどの男性は、WHOの基準による精子数の最低ラインである2,000/mlはクリアしていましたが、携帯電話を頻繁に使う男性ほど精子数が少ない傾向にあること判明しました。
携帯電話を使わないと答えた男性の平均の精子数は8,600万/mlであったのに対して、1日に2時間以内携帯電話を使うと答えた男性の平均の精子数は、7,600万/ml、1日に2時間から4時間使うと答えた男性の平均の精子数は、7,100万/ml、そして、1日に4時間以上使うと答えた男性の平均の精子数は、6,600万/mlでした。
また、運動率や奇形率等の指標においても、携帯電話の使用頻度が高くなるほど、精子数と同様に、数値が下がる傾向が確認されたとのことです。
調査に携わった研究者は、決して、携帯電話の使用と精液の質の関連性を証明したわけではなく、今後、さらなる、規模の大きい調査が必要であるとしています。
別の専門家は、このような調査を大規模に実施することは困難なことで、携帯電話以外にもノートパソコンの影響等が言われたりもするが、明確に結論づけることは困難だとして、現実に、患者から相談された際には、よく分からないことが多いので、さらなる研究が必要であるとしながら、タバコや深酒なんかは、おそらく悪い影響を及ぼすのではないかと答えているとしています。
コメント
携帯電話や電磁波と男性の生殖能力との関係については、明確なことは不明なようです。
精液の状態に影響を及ぼすものは、複数、かつ、複合的であって、1つの要因だけで、なかなか、決めることは困難です。
携帯電話は、いまや、現代社会では必需品化しているようですから、さほど、神経質になっても仕方ないことでしょう。
それよりも、喫煙や飲酒、ストレスの影響を軽減すこと、さらには、睾丸を温めすぎない等、これまでの研究で明確になっていることも少なくありません。
全体の健康に留意することが大切なように思われます。