調査は、1996年から1999年に体外受精によって生まれた4,559人の子供と、同時期に自然妊娠で生まれた190,000人以上の子供を対象に実施され、それぞれの健康状態を比べました。
その結果、体外受精による出生児は、概ね健康であるものの、早産で生まれることが多いため、脳性小児麻痺や入院するような病気にかかるリスクが高いことが分りました。
このことは、多胎妊娠が自然妊娠の2,2%に比べて、体外受精では35.7%にもなることが原因であるとしています。
多胎児どうしで比べてみると、ほとんど遜色はないとしています。
ただし、体外受精による出生児と自然妊娠のよる出生児の単胎児(一人子)を比べても、体外受精による出生児の方が、特定の病気のリスクが高まるわけではないものの、入院するような病気にかかる子供が多いことも確かめられています。
さらなる研究が必要であるとしながら、今後は、移植する胚の数を出来るだけ少なくして、多胎を避けることが急務であると指摘しています。
コメント
高度な生殖補助医療で生まれた子どもの健康については、これまでもさまざまな調査が実施され、また、現在も多くの追跡調査が実施されています。
それらをみてみますと、概ね、体外受精による影響というよりも、それに伴う多胎や早産に関連する健康リスクが指摘されているようです。
今回の調査結果でも、単胎で生まれた子どもの問題も指摘されてはいますが、ほとんどは多胎や早産による健康リスクのようです。
いずれにしても、高度な治療の最大のリスクは多胎妊娠であると理解すべきです。