調査は、食生活と小児ぜんそくとの関連を調べるため、子どもにぜんぜいしたり小児ぜんそくの診察をし、両親が食生活についてのアンケートに回答しました。
その結果、柑橘系の果物や野菜、乳製品の食べる量との関連は認められなかったものの、全粒穀物と魚をよく食べる子どもでは小児ぜんそくは2.8%の有病率であったのに対して、それほど食べない子どもの有病率は16.7%でした。
全粒穀物や魚をよく食べる子どもは、小児ぜんそくにかかるリスクが、それぞれ、54%、66%低下することが分りました。
コメント
小児ぜんそくの子どもの割合は、1964年では0.7%でしたが、2000年度の日本学校保健会の調査では7.0%と、その割合は10倍にもなっていて、大幅ぶい増加しています。
そして、その原因として、大気の汚染や住宅の気密性が高まり、家の中のほこりやダニ、また、冷暖房の完備により、皮膚や気道が弱くなっていることなどもあげられます。
ところが、アトピー性皮膚炎とともに、どうも、食生活の変化によって、炎症しやすい体質がアレルギーの子どもを増やしているのではないかとする専門家が増えています。
そのポイントは脂肪酸の摂取バランスと食物繊維の不足です。
脂肪酸の摂取については、動物性脂肪を減らすことはもちろん、植物性脂肪でもリノール酸やトランス脂肪酸の摂取を減らし、オリーブオイルやアルファリノレン酸を増やすことです。
今回の研究報告は、まさに、それに合致しています。
魚はアルファリノレン酸の宝庫ですし、全粒穀物から食物繊維を豊富に摂取できるからです。
子どもの健康は、母親の妊娠前の食生活から影響を受けることは、多くの研究で明らかです。
全粒穀物とは、精製していない穀物で、お米であれば、玄米や胚芽米、パンであれば全粒粉パンです。
魚はサケやマス、イワシ、サバなどです。
妊娠しやすいカラダづくりは、単に、妊娠までではありません。お子さんの健全な健康にも大きく寄与するのです。
長いスパンで考えることが大切なのです。