98人の健康な妊婦を2つのグループに分けて、一方のグループには、1日4gの魚油のサプリメントを、もう一方のグループには、1日4gのオリーブオイルのサプリメントを、妊娠20週以降出産まで毎日与えました。
そして、子供が2才半の時点で、言語能力や眼と手の共同作用、その他の知能テストを実施したところ、母親の年齢や母乳で育てたかどうか等の他の要因を除外した後も、オメガ3脂肪酸のサプリメントを摂取していた母親の子供の方が、眼と手の共同作用 テストの結果が著しく高いことが判明しました。
言語能力については明らかな差はみられませんでした。
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必須脂肪酸の摂取バランスは現代人の健康に大きく影響していると言われています。
オメガ6脂肪酸の過剰摂取、オメガ3脂肪酸の不足によって、アレルギー性疾患の増加やさまざまな生活習慣病を引き起こしているからです。
そして、オメガ3脂肪酸は、脳細胞の発育にとても重要な役割を果たしているため、脳が成長している過程にある胎児や新生児はオメガ3脂肪酸をもっとも必要とするので、胎児は胎盤を通じて優先的にこの脂肪酸を摂取します。
これまでの研究でも、妊娠中にオメガ3脂肪酸を意識して摂取していた女性が出産した子供の出生体重は、そうでない女性の出産した子供よりもより正常な範囲で、未熟児の割合も低かったことが報告されています。
妊娠中や授乳期の母親の食事が子供の将来にわたる健康や知能レベルに影響を及ぼすのです。
因みに、オメガ3脂肪酸は、サケやサバ、イワシ等の魚、しそ油、亜麻仁油、カボチャやひまわりの種子等に豊富に含まれています。