the New York State Psychiatric Institute の研究チームは、22~49歳の188人の女性を対象に、卵巣予備能を調べました。
卵巣予備能の評価方法は、卵巣年齢の目安とされる4つの指標、前卵状卵胞数とFSH(卵胞刺激ホルモン)の血中濃度、インヒビンB、エストロゲン値を、エコーや血液検査等を調べることによって実施されました。
その結果、喫煙者の血中FSH濃度は、非喫煙者に比べて、23%高いことが判明しました。
ただし、前卵状卵胞数やインヒビンB、エストロゲン値においては違いは確認されませんでした。
また、飲酒やカフェインの摂取は、今回調査した卵巣予備能の指標においては、影響はみられませんでした。
喫煙と血中FSH濃度の関係については、年齢があがるほど強くなる傾向がありました。
喫煙者の血中FSH濃度は、非喫煙者に比べて、30歳では、0.3mIU/ml、35歳では、1.3mIU/ml、40歳では3.2mIU/ml、そして、45歳では、6.9mIU/ml高いことが分かりました。
このことは、喫煙は、卵巣の老化を促進することを示しています。
コメント
妊娠する力に最も影響を及ぼすのは、母親になる女性の年齢ですが、実際の年齢より若い人もいれば、老けている人もいるように、年齢と卵巣年齢は同じというわけではありません。
30歳代後半でも、卵巣年齢が若ければ、高い妊娠率を期待できるでしょうし、20代でも卵巣年齢が高ければ、同年代の女性に比べれば妊娠率は低くなってしまうでしょう。
今回、喫煙や飲酒、カフェイン等の生活習慣と卵巣年齢の関係を調査した結果が発表されました。
卵巣年齢は、卵巣予備能を評価することで調べることが出来ます。
その結果、飲酒やカフェインの摂取との関係は確認されませんでしたが、喫煙は卵巣の老化を早めることが明らかになりました。
喫煙が卵巣の機能の低下を早めることは、これまでも多くの研究で確認されていたところです。
また、喫煙習慣は、妊娠する力を低下させるだけでなく、その後の胎児の健康にも悪影響を及ぼすことも明らかになっています。
喫煙の習慣がある女性は、妊娠を希望された時点で、禁煙すべきです。