妊娠中に魚をよく食べた母親の子供ほど知能の発育が良好

生活習慣・食事・サプリメント

2007年02月17日

the Lancet 2007;369:578-585

妊娠中にたくさん魚を食べていた母親の子供ほど、8歳時点でのコミュニケーション能力や社会的なスキルが高いと、過去に実施された母子の健康に関する長期に渡る大規模な追跡調査結果を、ブリストル大学とアメリカ国立衛生研究所の研究者が分析した結果、判明しました。

医学専門誌「ランセット」の最新号に発表されました。

11,873人の妊婦に対して、妊娠32週時点で、普段の食事に関するアンケートを実施し、その子供の8歳時点でのコミュニケーション能力や知能指数等を調べた結果、対象者の12%は、妊娠中に魚を食べなかったとし、65%は、1週間に12オンス(340g)以下 の魚を食べており、23%は1週間に12オンス以上の魚を食べていましたが、1週間に12オンス以下しか魚を食べなかった母親の子どもは、1週間に12オンス以上魚を食べた母親の子どもに比べて、知能の発育をはかるテストの結果が低かったことが分かりました。

2004年にアメリカの食品医薬品局(FDA)妊娠中の女性に対して、メチル水銀の胎児への影響を避けるために、魚の摂食を週に12オンス以内とすることを推奨しましたが、今回の調査結果は、メチル水銀の害よりも、脳の発育に不可欠なオメガ3脂肪酸を摂取するプラス面の方が、大きいことを証明したことになったようです。

妊娠中は胎盤を通じて、授乳期は母乳を通じて、オメガ3脂肪酸を母親から摂取することが子供の知能の発育には大切であるとしています。

コメント

これまでの研究では、3、4歳迄の調査でしたが、今回は、8歳時点ということで、より長期間にわたる影響が確認できたようです。

キーワード