卵巣刺激、もしくは、自然周期による採卵の結果、1個の卵子しか採れなかった311組の高度な生殖医療を受けている夫婦の425治療周期で、通常の体外受精(IVF)と顕微授精(ICSI)の受精率と妊娠率を比較しました。
その結果、女性が39歳以下では、精液の状態が良好であれば、IVFとICSIの受精率や妊娠率は、ほぼ同じで、統計的な差は見られませんでした。
ところが、精液の状態が悪いと、ICSIの方がIVFよりも受精率が高くなりました。ただし、妊娠率は差は見られませんでした。
女性が39歳以上でも、同様の結果でしたが、精液の状態が悪い場合に、妊娠率もICSIの方が高くなりました。
研究チームは、精液の状態が悪ければ、顕微授精を行うべきであることは明らかだが、精液の状態が正常であれば、顕微授精を行うことのメリットはそれほどはないと指摘しています。
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精液の状態が正常であっても、受精障害がみられるようなケースでは、顕微受精によって受精率が顕著に高くなるという報告もあります。