2,844人のうち、自然妊娠(平均年齢33才)が2,454人、体外受精(平均年齢38才)を受けた人が195人でした。
それぞれの妊娠異常の発生率を調査したところ、早期に胎盤が剥がれる「早期胎盤剥離」は、
自然妊娠では0.53%であったのに対して、体外受精を受けた人では2.56%、
通常は子宮の上部にある胎盤が下のほうにできてしまい子宮口を覆ってしまう「前置胎盤」は、
自然妊娠では0.57%だったのに対して、体外受精を受けた人では5.64%、
へその緒が胎盤ではなく卵膜につく「さい帯卵膜付着」は、
自然妊娠では0.53%だったのに対して、体外受精を受けた人では5.67%でした。
研究チームでは、妊婦の年齢やその他の要因による影響を排除しても、体外受精によってこれらの妊娠異常の発生率が高まり、危険なお産になりやすいという認識を、患者も医療提供者も持つ必要があると指摘しています。
コメント
これまでも体外受精による妊娠異常については、子宮外妊娠の発生率が高まることは知られていましたが、今回の調査研究によって、「胎盤早期はく離」や「前置胎盤」、「さい帯卵膜付着」の発生率が高まることも明らかになりました。体外受精や顕微授精等の高度な生殖医療を受けることは、性の身体への負担だけでなく、多胎妊娠や妊娠異常が増えること、さらには、子どもへの長期に渡る影響等、さまざまなリスクがあることを正しく認識したうえで、治療を受けるかどうかを検討することが大切です。
■参考サイト
・胎盤早期はく離
http://health.goo.ne.jp/medical/search/10381500.html
・前置胎盤
http://health.goo.ne.jp/medical/search/10381200.html
・さい帯卵膜付着
http://www.fetal-medicine-pooh.jp/modules/tinycontent/index.php?id=15