東北大で当時、体外受精を手掛けたスズキ記念病院(宮城県岩沼市)の鈴木雅洲院長によりますと、体外受精児による出産が確認されたのは国内初。生まれた男児は健康に成長しているとのこと。
鈴木院長によりますと、出産した女性は東北大が実施した国内3例目の体外受精児として、 84年2月に誕生。結婚後に自然妊娠し、19歳だった03年8月に男児を出産しました。
東北大では83年10月の国内1例目、同年12月の2例目と3例続けて体外受精で女児が誕生していますが、出産したのは3例目の女性が初めてだといいます。
鈴木院長は、「体外受精児も普通の赤ちゃんと変わりがないことは理論的には分かっていたが、現実にも証明できて大変良かった。全国の不妊治療を受けた患者さんも安心すると思う」と話しています。
コメント
体外受精等の高度な生殖医療のリスクについては、単一胚移植によって多胎妊娠のリスクをある程度回避することが出来るようになり、残されたリスクは出生児への影響であると言えます。
そして、この出生児へのリスクについては、体外受精や顕微授精で出生した子どもの成長を見守るしかありません。
そういう観点から言えば、今回のニュースはとても大きな意味を持つものといえるのでしょう。
理屈のうえでは、体外受精出生児だからと言って、何も問題がないことは分かってはいますが、実際には、そのことが事実として、実績として、確かめられことが重要だからです。
体外受精出世児が自然妊娠して、お子さんを出生したことが分かったのは、日本ではこれが初めてのケースですが、イギリスでは世界初の体外受精出世児であるルイーズブラウンさんは、昨年の12月に自然妊娠して、健康な男児を出産されたと報告されています。