妊娠中の鉄の過剰摂取は小さな子どもを出産したり高血圧を増やしたりする

生活習慣・食事・サプリメント

2007年06月01日

BJOG International Journal of Obstetrics and Gynaecology Vol.114 Issue 6 P.684-688

血でない妊娠中の女性が鉄を過剰に摂取すると、小さな赤ちゃんを出産したり、高血圧になる割合が高くなることが、イランの大学で実施された臨床試験で明らかになりました。

Tarbiat Modarres 大学の研究チームは、貧血でない727人の妊婦を、1日に50mgの硫酸鉄を摂取するグループ(370人)と、プラセボ(偽薬)を摂取するグループ(357人)に無作為に分け、二重盲検比較対照試験を実施しました。

その結果、鉄を摂取したグループでは、偽薬を摂取したグループよりも、小さい赤ちゃんを出産したり、高血圧になる割合が有意に高くなりました。

研究者は貧血でない妊婦は過剰な鉄の摂取を控えるべきであるとしています。

コメント

妊娠中や授乳期は女性の一生のうちで、最も良質の栄養素が必要とされる時期であることは間違いありません。

ただし、とにかく、なんでもかんでも摂取すればよいというわけでは決してありません。

サプリメントの品質や摂取量によっては、全く反対の結果になることがあるからです。

まずは、どんな成分でも過剰な摂取は絶対にやめるべきです。

鉄については、せいぜい、数ミリグラムが適切なのですが、日本で販売されている鉄のサプリメントの中には、50ミリグラムの製品は少なくありません。

まずは、摂取量をしっかりチェックすべきです。

また、品質としては、食べ物の形態に近いものほど安心です。

合成の抽出ビタミンやミネラルのサプリメントを摂取して気分が悪くなったという報告は少なくありません。

サプリメントは何でもよいというわけではありません。

特に、妊娠中という大切な時期はチェックし過ぎてもし過ぎるということはありません。

キーワード