移植する胚の数を減らしたことによる妊娠率や多胎率の変化を調査するために、1991年から2004年の全ての生殖医療クリニックが厚生審議会に報告した治療成績を調査する、観察的研究を実施しました。
その結果、移植する胚の数を減らしたにもかかわらず、出産率は26パーセントを維持しながら、多胎率は35パーセントから5パーセントへ劇的に低下しました。
出産に至る確率を低下させずに、多胎率を劇的に下げるという効果は、40歳以下のどの年齢の女性にもあてはまるものでした。
コメント
スウェーデンでは、社会保障が充実していて、高度な不妊治療を含む医療費は全額無料です。
国はお金を出すわけですから、治療に関するガイドラインは法律で決められています。体外受精は全額無料なかわりに移植する胚の数も1つと決められているわけです。
ですから、自由診療でほぼ全額自己負担である日本とは背景がやや異なるものの、体外受精において、最大のリスクである多胎妊娠を避けなければならない事情には変わりありません。