アフリカのデバネズミの生態にみるストレスと不妊の関係

ストレス

2007年07月03日

REUTERS(the annual meeting of the European Society of Human Reproduction and Embryology)

アフリカのデバネズミが、ストレスと不妊症との関係を考えるうえでのヒントを与えてくれると、ロンドン大学の生物学者が、フランスのリヨンで開催されているヨーロッパ生殖医学会の年次総会で発表しました。

デバネズミ(mole-rats)は、東アフリカの草原の地中にトンネルを掘って暮らしているのですが、地中のトンネル(巣)では、女王だけが生殖力を持っていて、女王に支配されて、あれこれと忙しく働きまわるその他のメスには生殖力がありません。

ところが、デバネズミのメスの不妊は、決して、生理的なものではなく、女王による抑圧からくるストレスであるとしています。

なぜなら、女王が死んで、代わりのメスがその地位を継承すると、それまで、不妊であったメスが、女王になれば生殖力を獲得するようになるからです。

研究者はデバネズミでおこっていることが、人間にもあてはまるのではないかと指摘しています。

それは、ストレスが、脳からの卵を育て、排卵をおこす、生殖ホルモンの分泌に影響を及ぼすからではないかとしています。

コメント

動物の生態から、さまざまなことが教えられるようです。

ストレスが不妊の原因なのか、不妊の結果、ストレスを感じるようになるのか、ストレスと不妊の関係は、明確には把握されていません。

ところが、不妊治療において、ストレスを緩和することで、治療成績が改善されたり、不妊治療を休憩したり、やめた途端に、妊娠することがよくあることから、いかにストレスとうまくつきあうかは、大切な鍵になることは間違いないようです。

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