体外受精における子宮内膜の厚さの推移と妊娠率との関係

不妊改善・生殖医療関連

2007年07月11日

Fertility and Sterility Vol.88 Issue 1 P.74-81

体外受精において、卵巣刺激に伴う子宮内膜の厚さの変化が、治療の成績と関連していることを、アメリカで実施された試験によって明らかになりました。

試験は体外受精を受けている132組のカップル(新鮮胚、自己胚)を対象に、治療初期の卵巣刺激時の3つのタイミングで、経膣エコーによって、子宮内膜の厚さを測定して、その後の治療成績との関連を調べました。

その結果、ゴナドトロピンによる卵巣刺激6日目の子宮内膜の厚さが厚いほど妊娠率が高くなりました。

卵巣刺激6日目の内膜厚が、6ミリ以下であった場合の妊娠率は38.0%たったのに対して、6ミリ以上であった場合の妊娠率は64.5%でした。

また、下垂体抑制後(卵巣刺激前)の内膜厚と卵巣刺激6日目の内膜厚の差が大きいほど妊娠率も高く、たとえば、差が2ミリ以下の場合の妊娠率は42.0%だったのに対して、2ミリ以上の妊娠率は62.6%でした。

さらに、hCG投与時の内膜厚が8ミリ以上で、下垂体抑制後(卵巣刺激前)の内膜厚の差が3ミリ以上、卵巣刺激6日目の内膜厚が変化していないほど妊娠率が高いことが分かりました。

コメント

体外受精における治療の成功は、ひとえに質のよい卵子をいかにして得るかにかかっているといっても過言ではありません。

子宮内膜の厚さの推移は、状況に適した治療がなされているかの目安にもなりそうです。