小麦粉への葉酸添加で胎児の先天性異常が半減(カナダ)

生活習慣・食事・サプリメント

2007年07月16日

New England Journal of Medicine 2007;357:135-42

カナダでは、穀物製品への葉酸添加によって新生児の神経管閉鎖障害のリスクが半減したことが、カナダの大学の調査によって明らかになりました。

カナダでは、1998年11月11日に、新生児の神経管閉鎖障害等の先天性異常の予防を目的として、白小麦粉やパスタ、ひき割りトウモロコシ等の穀物製品に葉酸を添加するように法律で義務づけました。

その効果を測定するために、ケベックの大学の研究チームは、1993年から2002年のカナダの7つの地域の新生児を調査しました。

その結果、190万人の新生児のうち、神経管閉鎖障害は2446人でしたが、葉酸添加後は1000人の新生児に1,58人だったのが0.86人に、46%減少しました。

二分脊椎症が、53%の低下で最も減少しており、無脳症や頭瘤は、それぞれ、38、31%の低下でした。

コメント

妊娠前の女性が葉酸を摂取することで、胎児の先天性異常のリスクが大きく低下することが確かめられて以来、アメリカやカナダ、イギリスでは、強制的に摂取させるために法律で穀物に葉酸を添加させました。

ただし、ビタミンB群の一種である葉酸を単独で添加することの是非は議論されているようです。

いずれにしても、日本ではそのような添加はなされていませんので、葉酸が豊富に含まれる緑色の野菜を豊富に食べること、安全なビタミンB群のサプリメントを摂取することが大切です。

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