体外受精に伴うリスクの本質的な要因は多胎妊娠

不妊治療のリスク

2007年08月14日

The Lancet VOL.370:P.351-359

体外受精に伴い、未熟児や低体重児、死産、流産、さらには、妊娠合併症や異常妊娠のリスクが増加することが知られていますが、それらのリスクの増加は、決して、体外受精によるものではなく、体外受精に伴い増加する多胎妊娠が原因であると、ロンドン大学のAlastair G. Sutcliffe博士とハンブルグのMichael Ludwig博士が主張しました。

彼らは1980年から2005年までの体外受精や顕微授精に関するデータを収集、分析しました。

その結果、体外受精に伴って増加するさまざまなリスクは、決して、体外受精という治療方法そのものが原因ではなく、体外受精に伴って増加する多胎妊娠や母親の加齢が根本的な原因であると結論づけました。

コメント

体外受精や顕微授精によるリスクのについては、これらの治療を受けることを検討する際に最も気になることの1つでしょう。

今回の研究報告が正しければ、多胎妊娠を予防することが出来れば、高度な生殖補助医療に伴うリスクは、限りなく、自然妊娠の伴うそれに近づくことになります。

今後は多胎妊娠の予防のために、単一胚移植が主流になってくることを考えると、高度な治療を検討されている方々にとっては朗報といえるかもしれません。