研究チームは、初期流産を経験した273名の女性と133名の男性に、流産直後と流産の半年後、13ヶ月後に、不安・抑うつ傾向を測定する尺度であるHADS(Hospital Anxiety and Depression Scale) を用いることによって、流産したことが、精神面にどのように影響を及ぼしているのかを調べました。
それによりますと、流産後の1ヶ月は、女性の10%、男性の4%がうつ症状を呈していましたが、13ヶ月後もその状態が続いていたのは男女ともに2%でした。
そして、女性と一部の男性にとって最も大きい精神面への影響は、不安感でした。
流産後の最初の1ヶ月間、24%以上の女性、5%の男性が、そして、13ヶ月後でも、依然として、女性の約16%、男性の4%以上が、不安感を抱き続けていることが分かりました。
コメント
初期流産は、全妊娠の約15%に起こると言われています。
このように、決して、珍しいことではないこと、また、病気でもなく、その後、特に何らかの治療を要するものでもないことで、流産による精神的な苦痛については、さほど、関心を寄せられないのかもしれません。
ところが、流産することによる精神的な苦痛は大きく、長く続くようで、また、不妊と同様に、男性と女性では、当然のごとく、その受け止め方が異なります。
まずは、正しい情報に接することがとても大切だと思われます。