不妊治療に伴うリスクとしての妊娠高血圧について

不妊治療のリスク

2007年09月04日

Fertility and Sterility

不妊治療を受けて妊娠した女性のほうが、自然妊娠で妊娠した女性よりも、 妊娠高血圧や妊娠高血圧腎症にかかるリスクが高いこと、そして、それは、不妊治療に伴う多胎妊娠が原因であることが、アメリカのボストン大学の研究チームによって明らかにされました。

研究チームは、2006年から1998年の間に、出産した5,000名以上の女性に、出産後6ヶ月以内に、妊娠高血圧や妊娠高血圧腎症、そして、不妊治療についてインタビューしました。

その結果、9.3%の女性が妊娠高血圧で、2.6%の女性が妊娠高血圧腎症であったことが分かりました。

そして、不妊治療をうけて妊娠した女性と、自然妊娠で妊娠した女性を比べると、妊娠高血圧が、それぞれ、15.8%と8.9%で、不妊治療を受けて妊娠した女性のほうが高い割合でした。

また、多胎妊娠の女性と一人子の女性を比べると、妊娠高血圧は、それぞれ、23%と1.7%で、多胎妊娠に女性のほうが圧倒的に高い割合でした。

さらに、女性の肥満度をあらわす体格指数(BMI)が高いほど、妊娠高血圧のリスクが高くなることが分かりました。

研究チームは、不妊治療を受けて妊娠した女性の妊娠高血圧や妊娠高血圧腎症のリスクが高いことは、ほとんどは、多胎妊娠によるものであると考えられると結論づけています。

コメント

不妊治療を受けることで、高くなるさまざまなリスクは、治療を施すことそのものによるものなのかを確認する必要があります。

これまでの研究報告では、ほとんどのケースでは、不妊治療に伴う多胎妊娠の増加によって、さまざまなリスクが高くなることが分かっています。