半数以上の不妊患者(体外受精)は双子を望んでいる

不妊治療のリスク

2007年09月11日

HUMAN REPRODUCTION

不妊治療を受けている患者の多くは、子どもは少なくても二人は欲しいという理由から双子を望んでいることが、デンマークの大学の調査で明らかになりました。

調査はデンマークの公的な不妊治療施設で体外受精を受けている588組の夫婦を対象に実施されました。施設では、通常は2個胚移植を実施しており、3回の治療までは公的な資金で受けることが出来ます。

患者は、2個胚移植による双子の可能性、そして、 それに伴う早産や異常妊娠のリスクの増加について知らされています。

調査では、結局、414名の女性、404名の男性からアンケートの回答が得られ、58.7%が双子を望み、37.9%が一人子を望んでいることが分かりました。

肉体的にも精神的にも負担の大きい治療を2回も受けたくないというのが、双子を望むと答えた人の最も多い理由でした。

研究チームは、単一胚移植を選ぶのか、2個胚移植にするのかは、多胎妊娠に冠する偏りのない医学的情報を患者に提供した上で、患者の自律的な判断を尊重すべきであるとしています。

コメント

デンマークの調査結果ですが、日本でも双子を望む方は、決して、少なくないように思われます。

ましてや3回までは体外受精の治療費を国が負担してくれるデンマークと違って、健康保険させ適用されない日本では、経済的な理由も加わってくるかもしれません。

多胎妊娠予防のために単一胚移植の実施が推奨されていますが、患者の胸の内は複雑なものがあるようです。

たとえ、戻す胚を1個にしても妊娠率は低下しなくても、元来、高い成功率ではないわけですから、二人のお子さん望まれた場合、いっそ、双子のほうが、と考えるのは理解できるところではあります。

ただし、多胎妊娠による母子の健康へのリスクに目をつむるのも避けるべきで、研究報告でも指摘されているように、客観的な情報をきちんと提供したうえで患者自身が自律的に決めることが大切です。