研究チームは、47名の原因不明不妊の女性の87.2%が、腹腔鏡検査によって、軽い子宮内膜症や骨盤内の癒着、卵管の障害が発見されました。
そして、治療後、23名の女性(48.9%)が妊娠しました。
年齢によって5つのグループ(25以下、26-30、31-35、36-40、41以上)に分けると、腹腔鏡検査後の妊娠率は、それぞれ、100%、75%、45.5%、27.2%、0%で、26-30のグループでは腹腔鏡検査後の妊娠率は、体外受精を受けた女性の妊娠率を大きく上回っていました。
このことから、原因不明不妊の女性は、高度な治療にステップアップする前に、腹腔鏡検査を受けることが強く勧められると結論づけています。
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最近のデータでは、クロミフェンを使ったタイミング指導で4周期妊娠しなかった女性の68%は、骨盤内の病変があるとしています。
また、腹腔鏡検査をすると、94.7%の不妊女性に骨盤内病変がみつかるという研究報告もあります。
腹腔鏡検査は、直接、お腹の中をみるわけですから、それまで発見できなかった子宮内膜症や炎症、癒着などがみつかることも多いようです。
また、検査といっても、癒着や内膜症の病変を除去したり、お腹の中を洗浄したりといった治療も可能です。
今回の報告では、腹腔鏡検査後の妊娠率は高度な治療のそれを上回るとしています。
ただし、決して、手軽に受けられる検査ではなく、手術室で全身麻酔をかけて行います。