35~43歳(平均年齢37.3歳)の女性45名に、胚盤胞まで培養した後、1個の胚を移植したところ、28名(62.2%)が妊娠し、そのうち、23名(51.1%)が中期以降も妊娠が継続しました。
研究チームは、妊娠に至ったのは全て胚の状態がよかったケースで、今回の被験者の半分は過去に妊娠、出産の経験がある女性であったことから、この結果によって、35歳以上でも単一胚移植で高い妊娠率が得られるという結論にはならないとしています。
コメント
体外受精における最大のリスクである多胎妊娠を避けるため、胚を1個だけ移植する方法を採用することは、ヨーロッパから広まり、いまや、世界的な傾向になっています。
ただし、移植する胚の数を減らすことで、多胎妊娠のリスクが低下しても、肝心の妊娠率が低下すれば、本末転倒になることから、単一胚移植を実施するのは母親になる女性の年齢を35歳以下に限定するのが一般的です。
今回の報告では、年齢に関係なく、妊孕性が高いと認められる女性であれば、たとえ、移植する胚の数を1個に制限しても、高い妊娠率が得られることを証明しました。
質のよい受精卵を得ることが妊娠するための最も大切な条件というわけですね。